高千穂峡(読み)たかちほきょう

  • たかちほきょう〔ケフ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宮崎県北西部,高千穂町五ヶ瀬川にある峡谷浸食の進んだ五ヶ瀬川の谷に阿蘇山溶結凝灰岩が堆積し,この溶岩を川が再び浸食したのが成因。特に三田井 (みたい) 付近が代表的で,100m近い絶壁中腹段丘が発達し,多量の湧水がそこから真名井 (まない) のになって落下する。そそり立つ柱状節理の断崖,岩をかむ激流,静かな青い深淵など,2kmにわたる渓谷美は神秘的。赤色の岩壁に春は若葉,秋は紅葉が映えて,観光客が多い。名勝,天然記念物に指定祖母傾国定公園に属する。

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世界大百科事典 第2版の解説

宮崎県北西部の高千穂町三田井にある五ヶ瀬川の峡谷。全長約2km。洪積世後期に阿蘇山から噴出した高熱火山灰が浸食の進んだ五ヶ瀬川の谷に堆積し,それが固まった溶結凝灰岩を再び川が浸食して形成された。堆積後の冷却の過程でできた柱状節理が発達し,両岸に高さ50~100mの絶壁をつくる。谷壁の上部には段丘状の平たん地があり,集落耕地が開ける。峡谷中央部には,水面から約10mの高さに岩石段丘があり,多量の地下水がわき出て谷底に落下し,真名井(まない)の滝をつくる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宮崎県北部、五ヶ瀬川(ごかせがわ)の上流部、西臼杵(にしうすき)郡高千穂町を流れる峡谷。高千穂町は、北西部に位置する阿蘇(あそ)山の溶結凝灰岩が厚く堆積(たいせき)して山間の台地を形成しているが、五ヶ瀬川はこの台地を深く侵食して、約100メートルの深さの峡谷をなす。侵食した凝灰岩の絶壁下部は赤色の柱状節理がみられる。絶壁途中に湧水(ゆうすい)層があり、これが真名井滝(まないのたき)となって峡谷にかかる。この湧水はニジマス養殖にも利用される。河床は溶結凝灰岩からなり、随所に甌穴(おうけつ)がみられる。とくに新緑、紅葉時の景観に優れる。峡谷の主要部は自然遊歩道がつけられており、キャンプ場、貸ボートなど施設も充実している。祖母傾国定公園(そぼかたむきこくていこうえん)に属し、国の名勝・天然記念物指定。[横山淳一]

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