川端玉章(読み)カワバタギョクショウ

デジタル大辞泉 「川端玉章」の意味・読み・例文・類語

かわばた‐ぎょくしょう〔かはばたギヨクシヤウ〕【川端玉章】

[1842~1913]日本画家。京都の生まれ。名は滝之助。円山派中島来章なかじまらいしょうに師事。のち、洋画法を高橋由一たかはしゆいちに学ぶ。精緻せいちな山水・花鳥画を得意とした。晩年、川端画学校を設立。

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精選版 日本国語大辞典 「川端玉章」の意味・読み・例文・類語

かわばた‐ぎょくしょう【川端玉章】

  1. 日本画家。京都の人。名は滝之助。円山派の中島来章に学び、洋画法も修得。東京美術学校教授、帝室技芸員、文展審査員などをつとめ、川端画学校を設立。作品「荷花水禽図」「雨後山水図」。天保一三~大正二年(一八四二‐一九一三

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20世紀日本人名事典 「川端玉章」の解説

川端 玉章
カワバタ ギョクショウ

明治・大正期の日本画家 川端画学校創立者;東京美術学校教授。



生年
天保13年3月8日(1842年)

没年
大正2(1913)年2月14日

出生地
京都・高倉二条瓦町

本名
川端 滝之助

別名
別号=敬亭,璋翁

経歴
11歳で円山派の中島来章の門に入り、慶応2年江戸に出て画家として身をたてる。維新後、内国勧業博覧会内国絵画共進会入賞を重ねる。明治11年画塾天真堂(天真社)を開設。21年皇居造営で杉戸絵を制作。また岡倉天心に認められて、21年東京美術学校に迎えられ、23年教授となる。29年帝室技芸員。その後も日本美術協会展、日本画会展、連合絵画共進会などに出品、33年にはパリ万国博で銀牌受賞。40年から44年にかけて文展審査委員を務めた。42年東京・小石川に川端画学校を創立し後進の育成に尽力、その門下からは平福百穂結城素明など多くの画家を世に出した。円山派最後の巨匠として花鳥画、山水画をよくし、代表作に「墨堤春暁図」「桜花鶏図」「荷花水禽図」などがある。

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百科事典マイペディア 「川端玉章」の意味・わかりやすい解説

川端玉章【かわばたぎょくしょう】

日本画家。京都の蒔絵(まきえ)師の子に生まれた。本名滝之助。円山派の中島来章に師事。高橋由一に油絵を学んだこともあるが,画風は円山派の正系を継ぐもので,山水や花鳥に佳作がある。東京美術学校教授を務め,川端画学校を設立して後進の育成に努めた。
→関連項目川端実杉浦非水平福百穂藤島武二結城素明

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「川端玉章」の意味・わかりやすい解説

川端玉章
かわばたぎょくしょう

[生]天保13 (1842).3.8. 京都
[没]1913.2.14. 東京
日本画家。蒔絵師川端佐兵衛の子。本名は滝之助。嘉永5 (1852) 年中島来章に絵を学び,のちに小田海僊に画論を学んだ。慶応2 (1866) 年江戸に出て苦学を重ね,一時は高橋由一とともにチャールズ・ワーグマンの教えを受けたが,岡倉天心に日本画を認められ,円山派写生画を教えるため 1888年から東京美術学校に勤めた。また帝室技芸員,文展審査員としても活躍。1909年川端画学校を設立し,門下から平福百穂結城素明など多くの画家が出た。主要作品『桜に鶏』(東京芸術大学大学美術館),『雨後山水図』 (東京国立博物館) ,『群猿之図』 (宮内庁三の丸尚蔵館) 。

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朝日日本歴史人物事典 「川端玉章」の解説

川端玉章

没年:大正2.2.14(1913)
生年:天保13.3.8(1842.4.18)
明治期の日本画家。京都高倉二条瓦町に生まれる。本名滝之助。別号敬亭,璋翁など。父は蒔絵師で俳諧もよくした。初め父に蒔絵を学び,嘉永5(1852)年中島来章に入門,円山派を学ぶ。また漢学や国学,小田海僊に画論も学んだ。慶応2(1866)年江戸に移り,覗眼鏡や版下絵,新聞付録などを描いて,一時洋画も学ぶ。内国勧業博覧会,内国絵画共進会などで受賞。東京美術学校(東京芸大)設立に際しては,天心らに認められ21年同校雇,23年教授に就任,45年まで勤めた。日本絵画協会など新派系の日本画団体に出品する一方,旧派の日本美術協会にも参加し,21年には旧派系作家を中心に人選がなされた皇居杉戸絵を揮毫している。円山派に西洋絵画の写実をとり入れ,晩年は文人画も研究した。29年帝室技芸員となり,42年には自ら川端画学校を開設。また22年臨時全国宝物取調局臨時鑑査掛嘱託,30年古社寺保存会委員など,古美術保護にも尽力し,画壇重鎮として幅広い活動を展開した。

(佐藤道信)

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改訂新版 世界大百科事典 「川端玉章」の意味・わかりやすい解説

川端玉章 (かわばたぎょくしょう)
生没年:1842-1913(天保13-大正2)

日本画家。本名は滝之助。京都に生まれる。父は蒔絵師。11歳で円山派の中島来章に師事。1866年(慶応2)江戸に出て狩野派を学び,明治初年には高橋由一らとワーグマンに油絵を習う。洋画の陰影法や遠近法を円山派の画風にとりいれた。89年東京美術学校教授となり主として〈つけたて〉を指導,時間があるかぎり写生することを実践して筆を離さなかった。また,私塾天真社を主宰,1909年には川端画学校を設立し後進の育成に尽力。その門から平福百穂,結城素明らが出た。代表作に《墨堤春暁図》《桜花鶏図》がある。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「川端玉章」の意味・わかりやすい解説

川端玉章
かわばたぎょくしょう
(1842―1913)

日本画家。京都の蒔絵師(まきえし)の家に生まれる。本名滝之助。11歳で円山派の中島来章(らいしょう)に師事。また画論を小田海僊(かいせん)に学んだ。1866年(慶応2)江戸に出、一時高橋由一(ゆいち)について洋画も学んでいる。82年(明治15)と84年の内国絵画共進会で銅賞を受けて名があがり、89年に開校早々の東京美術学校教授となって円山派を教えた。96年に帝室技芸員。1907年(明治40)に開設された文展では、その初めから長年にわたって審査員を務めた。09年に川端画学校を設立、翌年東京美術学校教授を辞した。門下から結城素明(ゆうきそめい)、平福百穂(ひらふくひゃくすい)らが出ている。着実な写生を基本とするわかりやすい画風は親しまれ、『桜花鶏』『雨後山水』などがよく知られる。

[原田 実]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「川端玉章」の解説

川端玉章
かわばたぎょくしょう

1842.3.8~1913.2.14

明治・大正期の日本画家。京都生れ。蒔絵師(まきえし)の子。名は滝之助。号はほかに敬亭,晩年は璋翁。円山派の中島来章,南画家小田海僊(かいせん)に師事。上京後は一時高橋由一(ゆいち)に学び,円山派の写生に洋画の手法を融合させた画風を確立した。東京美術学校教授・古社寺保存会委員・帝室技芸員を歴任。第1回から文展審査員を務める。川端画学校を創設し,門下から平福百穂(ひゃくすい)・結城素明らが輩出。代表作「墨堤春暁図」「桜花鶏図」。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「川端玉章」の解説

川端玉章 かわばた-ぎょくしょう

1842-1913 明治-大正時代の日本画家。
天保(てんぽう)13年3月8日生まれ。円山派の中島来章(らいしょう)に入門,江戸でワーグマン,高橋由一(ゆいち)に洋画もまなぶ。明治23年東京美術学校(現東京芸大)の教授となり,円山派の画法をおしえた。のち川端画学校を創立。帝室技芸員。大正2年2月14日死去。72歳。京都出身。本名は滝之助。別号に敬亭,璋翁。作品に「墨堤春暁図」「桜花鶏図」など。

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旺文社日本史事典 三訂版 「川端玉章」の解説

川端玉章
かわばたぎょくしょう

1842〜1913
明治・大正時代の日本画家
京都の人。円山派の流れをうけ,幕末に江戸に出て一時洋画を勉強,やがて日本画で一家をなす。花鳥画に長じ,写生に基づき謹厳な描線で描いた。東京美術学校教授となり,のち川端画学校を創立,多くの後進の指導にあたった。代表作に『雨後山水図』『墨堤春暁図』など。

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367日誕生日大事典 「川端玉章」の解説

川端 玉章 (かわばた ぎょくしょう)

生年月日:1842年3月8日
明治時代;大正時代の画家。東京美術学校教官
1913年没

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