巻繊(読み)けんちん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

巻繊
けんちん

巻煎とも書く。料理の一種で,3種類ある。 (1) 卓袱料理 (しっぽくりょうり) の一つ。もと禅僧がもたらした中国料理。ゆでたえびの身や白身の魚を細かくほぐし,千切りにしたしいたけ,笹がきにしたごぼう,銀なんなどとともに煮つけ,薄焼き卵に包み込み,小口切りにする。 (2) 精進料理の一つ。煮沸した豆腐を袋に入れて水を切り,細かくほぐして味つけし,銀なん,小口切りにしたごぼう,しいたけ,麻の実を煮たものを,薄皮状に広げた豆腐の上に載せてき,美濃紙に包んで蒸してつくる。 (3) 家庭的料理の一つ。巻繊汁。豆腐を布に包んで水けを除き,ごま油で炒め,別に出し汁を加えて汁とする。

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百科事典マイペディアの解説

巻繊【けんちん】

中国から日本に伝わった料理。繊(せん)切りにした材料を巻くという意で,ダイコンニンジンシイタケゴボウなどを細切りにして油でいため,豆腐をくずして加える。これを湯葉や薄焼き卵で巻き,揚げたり蒸したりする。巻繊汁は上記材料をいため,これに清(すまし)汁を加えて汁にしたもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

けんちん【巻繊】

中国から伝えられた卓袱(しつぽく)料理の一種。〈ちん〉は繊の唐宋音。巻煎とも書き,〈けんちえん〉〈けんせん〉などとも呼ぶ。1730年(享保15)刊の《料理網目調味抄》では,ゴボウ,キクラゲのせん切りとセリを湯葉で巻いて油で揚げ,小口切りにしてショウガ酢,煎酒(いりざけ)で供するとしており,後続の江戸時代の料理書では材料に多少の差はあるものの,おおむね油でいためた具を湯葉で巻き,それを揚げたものになっている。

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大辞林 第三版の解説

けんちゃん【巻繊】

けんちん【巻繊】

〔「ちん」は唐音〕
中国から伝わり、日本化した料理。おおむね豆腐に野菜を取り合わせて油で揚げたり蒸したりしたもの。けんちゃん。

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精選版 日本国語大辞典の解説

けん‐ちゃん【巻繊】

〘名〙 (「ちゃん」は「繊」の唐宋音) =けんちん(巻繊)〔俚言集覧(増補)(1899)〕

けん‐ちん【巻繊】

〘名〙 (「ちん」は「繊」の唐宋音) 中国から伝わって日本料理化した普茶(ふちゃ)料理の一種。けんちゃん。
(イ) 大豆のもやしを炒めて湯葉で巻き、煮びたしにしたもの。
(ロ) せん切りの大根、椎茸、きくらげ、ささがきごぼう、崩した豆腐などを油で炒め、酒、みりん、しょうゆで調味し、湯葉か油揚げで巻いて揚げたもの。
② 「けんちんじる(巻繊汁)」の略。《季・冬》
※俚言集覧(1797頃)「けんちん 豆腐牛房芋その外色々時の菜を入て油にて煎て汁の物にするをけんちんといふ」

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