…1730年(享保15)刊の《料理網目調味抄》では,ゴボウ,キクラゲのせん切りとセリを湯葉で巻いて油で揚げ,小口切りにしてショウガ酢,煎酒(いりざけ)で供するとしており,後続の江戸時代の料理書では材料に多少の差はあるものの,おおむね油でいためた具を湯葉で巻き,それを揚げたものになっている。現在行われているけんちん汁は,ダイコン,ニンジン,ゴボウ,シイタケ,キクラゲなどの細切りと豆腐のくずしたものを油でいため,だし汁を加えてしょうゆで調味することが多い。けんちん蒸しは,白身の魚をひらいて淡味の漬け汁にひたしておき,油でいためた豆腐や野菜を腹に詰めて蒸し,薄いクズあんをかける。…
※「巻繊汁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」