巻繊汁(読み)ケンチンジル

デジタル大辞泉 「巻繊汁」の意味・読み・例文・類語

けんちん‐じる【繊汁】

つぶした豆腐とせん切りにした野菜を油で炒め、澄まし汁仕立てにしたもの。 冬》
[類語]汁物吸い物あつもの澄まし汁お澄ましつゆお付け味噌汁おみお付け粕汁納豆汁薩摩汁豚汁とろろ汁三平汁のっぺい汁鯉濃こいこく水団すいとん

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精選版 日本国語大辞典 「巻繊汁」の意味・読み・例文・類語

けんちん‐じる【巻繊汁】

  1. 〘 名詞 〙 けんちん材料で作った、実だくさんのしょうゆ仕立ての汁もの。けんちゃんじる。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「外、冷たいでせう。巻繊汁(ケンチンジル)こさへてあげるわ」(出典:北の河(1965)〈高井有一〉)

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「巻繊汁」の解説

けんちんじる【巻繊汁】

くずした豆腐とせん切りまたは短冊切りにした大根にんじん・ごぼうなどを炒めてだし汁を加え、しょうゆなどで調味したすまし汁。◇普茶(ふちゃ)料理巻繊(けんちん)に由来するとも、鎌倉建長(けんちょう)寺で作られ、「建長汁」が変化したともいわれる。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の巻繊汁の言及

【巻繊】より

…1730年(享保15)刊の《料理網目調味抄》では,ゴボウ,キクラゲのせん切りとセリを湯葉で巻いて油で揚げ,小口切りにしてショウガ酢,煎酒(いりざけ)で供するとしており,後続の江戸時代の料理書では材料に多少の差はあるものの,おおむね油でいためた具を湯葉で巻き,それを揚げたものになっている。現在行われているけんちん汁は,ダイコン,ニンジン,ゴボウ,シイタケ,キクラゲなどの細切りと豆腐のくずしたものを油でいため,だし汁を加えてしょうゆで調味することが多い。けんちん蒸しは,白身の魚をひらいて淡味の漬け汁にひたしておき,油でいためた豆腐や野菜を腹に詰めて蒸し,薄いクズあんをかける。…

※「巻繊汁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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