コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

市民法 シミンホウ

5件 の用語解説(市民法の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

しみん‐ほう〔‐ハフ〕【市民法】

古代ローマで、ローマ市民にのみ適用された法。
近代市民社会を規律する私法の体系。狭義には、民法をさす。→社会法

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

市民法【しみんほう】

(1)古代,ローマ法では万民法ユス・ゲンティウムius gentium)に対し,ローマ市民にだけ適用される法(ユス・キウィレius civile)をさした。また,名誉法に対して本来の厳格な法体系を意味したり,自然法に対し実定法を意味することもあった。
→関連項目社会法

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

しみんほう【市民法】

近代法では市民法bürgerliches Recht(ドイツ語),droit de bourgeoisie(フランス語)の語は市民の社会関係を規律し,市民社会の内部秩序を保持するための法を意味する。この場合,市民とは具体的生活を営む人間ではなく抽象的に考えられた法的人格としてとらえられている。すなわちすべての市民は,自由・平等で独立した法的人格として,各人の自由意思と理性に基づいて社会関係を結ぶのであり,このような抽象的市民の合理的な社会関係の総和が市民社会秩序なのである。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

しみんほう【市民法】

古代ローマで、ローマ市民にのみ適用された実定法。
近代市民社会を規律する法体系。私法を中核とする。社会法に対する語。狭義には民法のこと。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

市民法
しみんほう

ローマ社会の市民法(ラテン語でユス・キウィレius civile)は、ローマ市民相互間だけに通用する法のことをいい(属人法主義)、十二表法、祖先からの慣習法、民会立法および解釈からなる。これは古代農業社会に特有な厳格な形式性をもっているため、ローマの領土が拡大し社会の発展とともに、ローマ市民以外の人々との間を規律する、取引を中心とした、形式にとらわれない法(万民法)が形成された。212年ローマ帝国内のすべての住民に市民権が与えられたので、厳格形式的な市民法と万民法との区別は消滅した。
 近代の市民法civil lawは、ローマ社会の市民法とは根本的に異なり、資本主義社会に適合的な法であり、すべての者が対等であること、契約の自由、私的所有権、さらに「過失なければ責任なし」とする過失責任主義をその内容とする。近代市民法は、社会に起こりうるあらゆる場合を想定した法構造をもっており、それはきわめて抽象的なまた合理的な性質を有する。しかし、いかなる契約を結んでも自由であるという法構造をもっているがゆえに、資本家と労働者との間、大資本と消費者との間に具体的な不平等が現れ、労働法や消費者保護法などによって、市民法は大幅に修正されるに至っている。[佐藤篤士]
『原田慶吉著『ローマ法の原理』第2版(1968・弘文堂) ▽加古祐二郎著『近代法の基礎構造』(1964・日本評論社) ▽渡辺洋三著『法とはなにか』(岩波新書)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の市民法の言及

【社会法】より

…第1次世界大戦後のドイツを中心として一般化した概念であり,所有権の絶対,契約自由の原則,過失責任主義を基本原理とする近代市民法を修正する意味をもつ法を指す。その意義については種々の考え方があり定説はないが,代表的な学説としては,O.F.vonギールケ,G.ギュルビッチ,G.ラートブルフなどの名をあげることができる。…

【万民法】より

…ローマ法において,ローマ人のみに適用される市民法Jus civileに対し,ローマ人と非ローマ人および非ローマ人相互間の法的関係を律するために発達した法。ローマ古来の市民法においては,法律訴訟,要式行為など厳格な言葉や方式を使うことが必要とされた。…

【ローマ法】より

…これに対し,共和政移行後まもなく身分闘争の過程で平民が法の公開を要求し,その結果十二表法が制定された。十二表法は,刑法と未分化のままで復讐の観念が強く残存する不法行為法,強大な家長権,形式主義の支配など農業社会の原始的な法であり,ローマ市民にのみ適用となり,以降,解釈およびその後の若干の立法による修正はあるが,〈全公法・私法の源〉としてながく市民法の核心を形づくった。当時の法観念によれば,神々の意にそむかないで人々が有効な法律行為,訴訟を行うためには厳格に定められた言葉や方式を使うことが不可欠であり(法律訴訟ならびにネクスム(拘束行為),銅衡式売買,問答契約などの要式行為はいずれもこの観念に支配されており,〈木を切られた〉として訴えるべきところ〈ブドウの木を切られた〉といったために敗訴した例が伝えられる),それらの知識は神官団が十二表法制定後も引き続き独占した。…

※「市民法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

市民法の関連キーワードB判近代自然人市民社会分割相続自由婚姻裁判への市民参加村上淳一近代法ファイバーバンドル

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

市民法の関連情報