平岩外四(読み)ひらいわがいし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「平岩外四」の意味・わかりやすい解説

平岩外四
ひらいわがいし
(1914―2007)

財界人、経営者。愛知県常滑(とこなめ)市に生まれる。1939年(昭和14)東京帝国大学法学部卒業後、東京電燈(でんとう)(現、東京電力)に入社(第二次世界大戦中は陸軍に召集され、ニューギニア戦線の部隊に配属、終戦後会社に復帰)。1976年東京電力社長に就任。1984年に会長になり、1993年(平成5)相談役、2002年顧問に就任。この間、1990年から1994年まで第7代経済団体連合会(現、日本経済団体連合会)会長を務めた。会長在任中は、地球環境憲章および企業行動憲章を制定(1991)したほか、政治献金斡旋(あっせん)廃止(1993)に取り組んだ。また企業と社会との「共生」という理念を掲げ「経団連自然保護基金」などを設立した。2000年6月から2006年5月まで宮内庁参与。財界随一の読書家といわれ自宅の蔵書は2万数千冊にのぼる。1994年に勲一等旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)、2006年に桐花(とうか)大綬章を受章

[編集部]

『大野誠治著『人間 平岩外四の魅力――「ビジネスの心」を説く平岩語録』(1994・中経出版)』『平岩外四他著『平岩外四 対話と交流』(1994・日本電気協会新聞部)』『城山三郎・平岩外四著『人生に二度読む本』(2005・講談社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平岩外四」の意味・わかりやすい解説

平岩外四
ひらいわがいし

[生]1914.8.31. 愛知,常滑
[没]2007.5.22. 東京
経営者。元東京電力会長,元経済団体連合会会長。6歳で父を亡くし,母親に女手一つで育てられた。東京帝国大学卒業後,1939年東京電灯(のちの東京電力)に入社。太平洋戦争のニューギニア戦線では,117人中たった 7人の生き残りの一人。戦後,復職してからは経済同友会代表幹事を長年務めた木川田一隆社長に抜擢され,1976年社長,1984年会長。バブル経済崩壊後の 1990年に経団連会長に就任。ゼネコン汚職などで「政治と金」への国民の批判が高まるなか 1993年には,経団連会長として政治献金の斡旋中止を決断する。細川護煕首相の諮問機関,経済改革研究会の座長として,バブル崩壊後の日本経済の見取図「平岩リポート」をまとめた。2002年に原子力発電所トラブル隠しが発覚,これを機に東京電力相談役を辞した。1987年大英帝国二等勲功章 DBE,1997年レジオン・ドヌール勲章,2006年桐花大綬章を受章。

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百科事典マイペディア 「平岩外四」の意味・わかりやすい解説

平岩外四【ひらいわがいし】

経営者。愛知県生れ。東京帝国大学(現,東京大学)法学部卒業。1939年に東京電灯(現,東京電力)へ入社。第2次世界大戦では,ニューギニア戦線の密林生死の境を彷徨(さまよ)った経験をもつ。1976年に東京電力社長,1984年に同社会長,1993年には同社相談役となっている。この間,1990年に経済団体連合会(経団連)第7代会長に就任し,1994年までその職にあった。1993年には政官財の三極の癒着構造を断ち切るため,経団連による自由民主党への政治献金斡旋を廃止した。世界平和研究所理事長,経済審議会会長,運輸政策審議会会長,国会等移転審議会会長,宮内庁参与などを歴任蔵書家としても知られ,自宅地下室の蔵書は3万冊を超えたといわれ,図書館並みの規模を誇った。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「平岩外四」の解説

平岩外四 ひらいわ-がいし

1914-2007 昭和後期-平成時代の経営者。
大正3年8月31日生まれ。昭和14年東京電灯(現東京電力)に入社。木川田一隆社長の薫陶をうけ,43年取締役,51年社長。59年会長。平成2-6年経団連会長をつとめ,企業の政治献金斡旋を中止し,企業経営の国際協調,環境保護,消費者重視を打ちだす。12年宮内庁の参与に就任。財界屈指の読書家といわれた。平成19年5月22日死去。92歳。愛知県出身。東京帝大卒。

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367日誕生日大事典 「平岩外四」の解説

平岩 外四 (ひらいわ がいし)

生年月日:1914年8月31日
昭和時代;平成時代の経済人。東京電力社長;日本経団連名誉会長
2007年没

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