弁え(読み)ワキマエ

デジタル大辞泉 「弁え」の意味・読み・例文・類語

わきまえ〔わきまへ〕【弁え/×辨え】

物事の違いを見分けること。弁別。「前後の―もなく酔いつぶれる」
道理をよく知っていること。心得。「―のない人」
つぐない。弁償
「おのれが金千両を負ひ給へり。その―してこそ出で給はめ」〈宇治拾遺・一〉
[類語]物分かり聞き分けわきまえる分別ふんべつ分かり分かる理解知る把握飲み込み承知認識学ぶ了知存知聞知合点了解自覚納得早分かり早飲み込み早合点話せる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「弁え」の意味・読み・例文・類語

わきまえわきまへ【弁・辨】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「わきまえる(弁)」の連用形名詞化 )
  2. 物事の違いをよく見わけること。識別すること。弁別。また、道理をよく心得ること。分別
    1. [初出の実例]「聞き知るばかりのわきまへは、何事にもいとつきなうは侍らざりしを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅梅)
    2. 「此の守本より心直くして、身の弁へなども有ければ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)
  3. 借金借物を返済すること。また、弁償すること。
    1. [初出の実例]「おのれが金千両を負ひ給へり、其わきまへしてこそ出で給はめ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)

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