分る(読み)ワカル

デジタル大辞泉 「分る」の意味・読み・例文・類語

わか・る【分(か)る/解る/判る】

[動ラ五(四)]
意味区別などがはっきりする。理解する。了解する。「物のよしあしが―・る」「言わんとすることはよく―・る」「訳が―・らない」
事実などがはっきりする。判明する。「身元が―・る」「答えが―・る」「持ち主の―・らない荷物
物わかりがよく、人情・世情に通じる。「話の―・る人」
一つのものが別々になる。わかれる。
五色の水玉数散りて、浪二つに―・りて」〈浮・伝来記・二〉
[動ラ下二]わ(分)かれる」の文語形
[類語]理解知る把握解釈分かりのみ込み承知認識学ぶ物分かり聞き分けわきまえわきまえる分別ふんべつ了知存知聞知合点了解自覚納得早分かり早飲み込み早合点話せる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「分る」の意味・読み・例文・類語

わか・る【分・別・解・判】

  1. [ 1 ] ( 分・別 ) 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙わかれる(分)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. ( 分 ) 一つのものが別々になる。また、区分される。わかれる。
      1. [初出の実例]「トウザイニ vacaru(ワカル)」(出典日葡辞書(1603‐04))
      2. 「面屋(おもや)よりわかりて、隠居付の女十一人」(出典:浮世草子・世間胸算用(1692)四)
    2. 物事の意味、内容、事情、区別などが了解される。
      1. [初出の実例]「リガ vacaru(ワカル)、または、vacaranu(ワカラヌ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
      2. 「およそおさなきおりからにおやにはなれてそだつほど、かなしきもののあるべきかと、わかりし心におゐらんは」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初)
    3. 立場、気持、事情などを察してさばけた気持を持つ。物わかりよく世情に通じる。
      1. [初出の実例]「品川でまつざか屋の野風といった女郎しゅが、わかったものさ」(出典:洒落本・古契三娼(1787))
      2. 「あのおかみさんなかなか解(ワカ)って居るなア」(出典:正直者(1903)〈国木田独歩〉)
    4. 事実などがはっきりする。判明する。知れる。
      1. [初出の実例]「何処の馬の骨の、書いたのやら、辨(ワカ)らぬものなり」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉三)
  3. [ 3 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
    1. 承知する。のみこむ。
      1. [初出の実例]「そんなら真面目に見せておいて矢張わかるか」(出典:歌舞伎・東海道四谷怪談(岩波文庫所収)(1825)序幕)
    2. ( 承知してとりはからってくれる意から ) 金銭などをもらう。
      1. [初出の実例]「居続けでもしてゐる御客の処へ行って髪を結やア、直き百疋わかるといふもんだ」(出典:人情本・寝覚之繰言(1829‐30)二)

分るの補助注記

万葉‐四三八一」の「国々の防人つどひ船乗りて和可流(ワカル)を見ればいともすべなし」の例から、古く四段活用があったとする説もあるが、これは「わかるる」にあたる上代東国方言形、あるいは、終止形を連体形相当に用いたものともいわれ、明らかでない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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