(読み)チョウ

デジタル大辞泉 「弔」の意味・読み・例文・類語

ちょう【弔】[漢字項目]

常用漢字] [音]チョウ(テウ)(呉)(漢) [訓]とむらう
人の死をいたんで悔やみを述べる。とむらう。「弔意弔歌弔客弔辞弔電弔砲弔問敬弔慶弔

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精選版 日本国語大辞典 「弔」の意味・読み・例文・類語

とぶらいとぶらひ【弔】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「とぶらう(弔)」の連用形の名詞化 )
  2. とむらい(弔)
    1. [初出の実例]「藤原忠房が、昔あひしりて侍りける人の身まかりける時に、とぶらひにつかはすとてよめる」(出典:古今和歌集(905‐914)哀傷・八三七・詞書)
  3. 弔問をする人。また、弔問をするための使い。
    1. [初出の実例]「百済の国、天皇崩りましぬと聞りて弔使(トフラヒ)を奉遣(たてまた)せり」(出典:日本書紀(720)皇極元年正月(図書寮本訓))
  4. とむらい(弔)
    1. [初出の実例]「後の世のとぶらひにだにとて」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)三)
  5. 弔問、法要などのために贈る品。供物
    1. [初出の実例]「三七日をばことさらとりいとなみしに、御所よりもまことしく、さまざまの御とふらひどもあり」(出典:とはずがたり(14C前)一)
  6. とむらい(弔)
    1. [初出の実例]「私を城井の門から葬式(トブラヒ)を出す事か」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉下)

ともらいともらひ【弔】

  1. 〘 名詞 〙 「とむらい(弔)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「去る寺へともらいがきやした」(出典:咄本・春袋(1777)引導)

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普及版 字通 「弔」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音] チョウ(テウ)
[字訓] とむらう・いたむ・あわれむ

[説文解字]

[字形] 象形
(しやく)(いぐるみ)の形。金文の字は従来叔(しゆく)と釈され、叔善の意に用いるが、それは仮借義。〔説文〕八上に「りを問ふなり」と弔問の意とし、字形を「人と弓とに從ふ」とする。また「古の、厚く之れに衣(き)するにを以てす。故に人ごとに弓を持ち、會して禽を(う)つなり」(段注本)とあり、〔小徐本〕にはなお「弓は蓋(けだ)し復弔問するの義なり」と弓に従う義を説く。古くは屍を草野に棄て、その風化を待って骨を拾うので、弓を携えてゆき弔うと解するものであるが、の象形字である弔を、叔の音に仮借したもので、古い文献にみえる「不弔」は「不淑」の意。〔書、多士〕〔詩、小雅、節南山〕の「旻天に弔(とむら)はれず」の「不弔」は「不淑」、「昊天に淑(よ)しとせられず」の意である。「とむらう」はおそらく(いたる)の用義で、〔詩、小雅、天保〕「の弔(いた)る」の義より転じたものであろうが、のちおおむねその義に用いる。は〔説文〕二下に「至るなり」と訓する。

[訓義]
1. いたる、とむらう。
2. (しやく)の象形で、いぐるみ、のち(弔の形声字)を用い、弔をいぐるみの義に用いることはない。
3. いたむ、あわれむ、なげく。
4. 淑・俶と通じ、よし、よしとする。
5. 吊・釣と通じ、つる。

[古辞書の訓]
名義抄〕弔 トブラフ・トフ・イタル

[声系]
〔説文〕に弔声としてなど三字を収める。は「至るなり」、五上は「なり」と訓するが、金文に「不弔」をまた「不」に作り、弔と同じく淑の意に用いる。

[語系]
弔tyk、淑zjiukは声近く、俶thjiukも同系の語。金文の「不弔」「不」は〔詩〕の「不弔」「不淑」という語にあたり、「不淑」とは人の死をいう。

[熟語]
弔意弔慰弔賀・弔旗・弔儀・弔客・弔橋弔頸・弔・弔・弔古弔拷弔哭・弔祭・弔災・弔祠・弔死・弔詞・弔事・弔辞弔恤・弔書・弔傷・弔・弔水・弔生弔睛・弔贈・弔喪弔朶・弔壇弔梯・弔・弔桶弔伐弔愍弔賻弔撫・弔服弔文・弔民・弔名・弔問・弔臨・弔礼・弔労
[下接語]
哀弔・吉弔・泣弔・敬弔・恵弔・慶弔・献弔・自弔・誅弔・追弔・不弔・赴弔・弔・臨弔

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