北海道東部、釧路(くしろ)総合振興局管内の町。町名はアイヌ語の「テシュカカ」(岩盤の上)からの転訛(てんか)。1885年(明治18)石川県人が温泉開発を目的に入植、ついで1887年にはアトサヌプリ(跡佐登(あとさぬぷり)、硫黄山(いおうざん))の硫黄開発が行われた。1947年(昭和22)町制施行。JR釧網(せんもう)本線、国道241号、243号、391号が通じる。町域の大部分が阿寒摩周(あかんましゅう)国立公園域で、摩周湖、屈斜路湖(くっしゃろこ)などの景勝地や、摩周温泉、川湯温泉、和琴温泉(わことおんせん)などの温泉も多く、観光基地となっている。酪農が盛んで、農用地約1万ヘクタールの大部分は牧草地、乳牛頭数は約1万2000(2015)を数える。面積774.33平方キロメートル、人口6955(2020)。
[進藤賢一]
『『弟子屈町史』(1981・弟子屈町)』
北海道東部,釧路支庁川上郡の町。人口8278(2010)。地名はアイヌ語の〈テシカ・カ(岩盤・上)〉に由来する。北西に屈斜路(くつしやろ)湖,北東に摩周湖を抱き,南部は屈斜路湖から流出した釧路川が南東に流れる。市街地は弟子屈温泉を中心に発達している。1885年石川県人が釧路川と支流鐺別(とうべつ)川の合流点に温泉宿を経営するため入地し,その後,北部のアトサヌプリ(跡佐登)で硫黄の採掘も行われ,農業移民も入植するようになった。基幹産業は酪農とジャガイモなどの畑作のほか林業も行われる。阿寒国立公園の大半はこの町に含まれ,摩周湖,屈斜路湖,美幌(びほろ)峠をはじめ,北海道有数の観光地が多い。町の中心にある弟子屈温泉(単純泉,30~99℃)は北部の川湯温泉とともに阿寒,摩周湖観光の拠点ともなっているが,古くはアイヌの集落があり,アツシの材料の木皮を湯でさらした地と伝えられる。ほかに鐺別川沿いに鐺別温泉(単純泉,44~72℃),屈斜路湖に突出した和琴半島に和琴温泉(純重曹泉,35~98℃),屈斜路湖北東岸に仁伏(にぶし)温泉などがある。JR釧網(せんもう)本線,国道241号線(阿寒横断道路),243号線,391号線が通じる。
執筆者:奥平 忠志
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…北海道東部,釧路支庁弟子屈(てしかが)町にある湖。〈くっちゃろこ〉とも呼ぶ。…
…北西に屈斜路(くつしやろ)湖,北東に摩周湖を抱き,南部は屈斜路湖から流出した釧路川が南東に流れる。市街地は弟子屈温泉を中心に発達している。1885年石川県人が釧路川と支流鐺別(とうべつ)川の合流点に温泉宿を経営するため入地し,その後,北部のアトサヌプリ(跡佐登)で硫黄の採掘も行われ,農業移民も入植するようになった。…
※「弟子屈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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