硫黄山(読み)イオウザン

デジタル大辞泉 「硫黄山」の意味・読み・例文・類語

いおう‐ざん〔いわう‐〕【硫黄山】

北海道北東部、知床半島にある山。標高1562メートル。羅臼らうすの北に位置する。知床硫黄山
アトサヌプリ

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共同通信ニュース用語解説 「硫黄山」の解説

硫黄山

気象庁常時観測火山に指定する霧島連山で、最も新しい活火山。宮崎県えびの市にある山頂は、標高1317メートル。文献などから江戸時代中期の1768年に噴火があったとされる。4月19日の噴火に伴い、気象庁は噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き上げた。その後、2(火口周辺規制)に下げ、火口から約1キロの範囲で警戒を呼び掛けている。霧島連山では3月、新燃岳しんもえだけが爆発的噴火。連山全体の地下深くに巨大なマグマだまりがあるとされ、現在も蓄積が続いているとみられる。

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日本歴史地名大系 「硫黄山」の解説

硫黄山
いおうざん

斜里町北東部、知床しれとこ半島中部に位置する活火山。南西方の羅臼らうす岳とともに知床連山を形づくり、登山道のある山では最も知床岬先端寄りに位置する。標高一五六二・五メートル。付近の地形は複雑で山頂は主稜線からオホーツク海側に外れた場所にある。北西麓からは硫黄川・カムイワッカ川が流下する。知床半島の山のなかで現在も唯一噴気活動を続け、近代以降では明治九年(一八七六、一説には明治一三年)、同二二年、同二三年、昭和一一年(一九三六)の活動が知られる。活動に伴って純度の高い融解硫黄が大量に噴出することで知られ、前近代でも「観国録」安政三年(一八五六)八月一六日条には「シレトコニ硫黄アリ海浜ニ流出スト云フ」、北西中腹に位置する新噴火口の活動は島「入北記」安政四年八月九日条に「琉黄山に烟たつ」と記された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「硫黄山」の意味・わかりやすい解説

硫黄山
いおうざん

北海道北東部,知床半島の中央にそびえる円錐コニーデ)形の活火山(→成層火山)。別称知床硫黄山。標高 1562m。斜里町に属する。千島火山帯の一部で,頂部に二つの爆発火口がある。このうち北側火口の火口壁上に噴出した円頂丘が最高点を形成。オホーツク海根室海峡に臨む山麓海食崖が発達する。爆発の際には火口から溶融硫黄を噴出,1936年の爆発時の噴出量は約 20万tに上った。輝石安山岩火山砕屑物からなる。知床国立公園の一部。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「硫黄山」の意味・わかりやすい解説

硫黄山(北海道、知床半島)
いおうざん

北海道東部、知床(しれとこ)半島の中央部にある火山。標高1562メートル。成層火山で、その頂部には二つの大きな爆裂火口が南北に並んでいる。西中腹にはより新しい3個の爆裂火口があって、その一つは現在でもしばしば大量の溶融硫黄を噴出し、世界でも珍しい活動形式の火山として知られる。羅臼岳(らうすだけ)から稜線(りょうせん)をたどって頂上に達することができる。釧路の硫黄山(アトサヌプリ)と区別するため知床硫黄山ともよばれる。

岡本次郎



硫黄山(アトサヌプリ)
いおうざん

アトサヌプリ

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事典 日本の地域遺産 「硫黄山」の解説

硫黄山

(大分県玖珠郡九重町)
おおいた遺産」指定の地域遺産。
星生山北東側山腹にある、1995(平成7)年に噴火した峰。江戸時代から本格的な硫黄の採取が始まり、昭和にかけて盛んに行われた

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

世界大百科事典(旧版)内の硫黄山の言及

【アトサヌプリ】より

…硫黄山ともいう。北海道東部,釧路支庁管内弟子屈(てしかが)町にある活火山。…

【知床半島】より

…東岸は根室海峡を隔てて国後(くなしり)島に相対する。新第三紀の堆積岩,火山角レキ岩,凝灰岩などを基盤とし,第四紀に噴出した海別(うなべつ)岳(1419m),遠音別(おんねべつ)岳(1331m),最高峰の羅臼岳(1661m),硫黄山(1563m),知床岳(1254m)などの知床連山と呼ばれる山脈が縦走し,半島の東岸と西岸の分水界をなす。硫黄山は頂部に北側に開いた馬蹄形の爆裂火口(径約1.2km)をもつ活火山で,明治期以降にも4回の噴火を繰り返し,1889年,1936年の噴火の際には北麓に多量の溶融硫黄を流出させた。…

※「硫黄山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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