影響力[国際政治](読み)えいきょうりょく[こくさいせいじ](英語表記)influence

翻訳|influence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

影響力[国際政治]
えいきょうりょく[こくさいせいじ]
influence

AとBの2者間の関係において,それがなければBが行わないような何かをBに行わせるAの能力のことを,Bに対するAの影響力という (R.ダールによる定義) 。政治現象における「力」 powerを説明する行動科学的概念としては,物理的な力,すなわち武力の行使にいたらぬ穏やかな力を意味する。 J.シンガーは,国家間における影響力行使の状態とテクニックを理論モデル化したが,その際AがBに対して何かを行わせることばかりでなく,何かを行わせないことをも考慮し,したがってBの行動を強化する影響力と修正する影響力の両側面にまたがって,Bの現在の行動に対するAの知覚,Bの将来の行動に対するAの知覚を,8つの組合せに分けた。またそれぞれの組合せについて,懲罰,報償,脅迫,約束の4つのテクニックをあげている。 K.ドイッチュによれば,国家間の影響力行使の一般的方法としては,(1) 対象国との文化交流 (留学資金の供与や文化人の派遣,招請) ,(2) 対象国のマスメディアへの働きかけ (ニュースの提供や広告) ,(3) 対象国のマスメディアの支配,(4) 対象国の産業の支配,(5) 対象国への経済援助や軍事援助,(6) 対象国への力の誇示 (艦隊の派遣) などが考えられ,それ以上の段階にいたれば,実力の行使にならざるをえない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

GAFA

グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェースブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社のこと。頭文字を取って称される。いずれも米国を代表するIT企業であり、4社は世界時価...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android