忠清南道(読み)チュンチョンナムド

デジタル大辞泉 「忠清南道」の意味・読み・例文・類語

チュンチョン‐ナムド【忠清南道】

大韓民国西部黄海に面するどう道庁所在地は大田テジョン広域市。農業が盛ん。ちゅうせいなんどう。

ちゅうせい‐なんどう〔‐ナンダウ〕【忠清南道】

チュンチョンナムド

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精選版 日本国語大辞典 「忠清南道」の意味・読み・例文・類語

ちゅうせい‐なんどう ‥ナンダウ【忠清南道】

大韓民国に属する、朝鮮半島南西部、西側が黄海に面する道。道都は大田。チュンチョンナムド。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「忠清南道」の意味・わかりやすい解説

忠清南道
ちゅうせいなんどう / チュンチョンナムド

韓国(大韓民国)の西部に位置する道。面積8586.44平方キロメートル、人口184万0410(2000)。行政区域は6市(天安、公州、保寧、牙山、瑞山、論山)、9郡からなる。道庁所在地は大田(たいでん)広域市(大田は忠清南道の都市から1989年直轄市に昇格。1995年広域市)。本道は平均高度が約100メートルで、いちばん低い道である。山地はだいたい丘陵性で、鶏竜(けいりゅう)山(828メートル)を最高峰として、500メートル以上の山地は0.8%にすぎない。したがって耕地面積は総面積の55%と高い比率を占める。北東より南西方向へ平行に走る車嶺(しゃれい)、伽倻(かや)、鶏竜山脈があり、その間を錦江(きんこう)と挿橋(そうきょう)川が流れている。錦江流域には内浦平野、挿橋川の流域には礼唐平野が形成され、おもな米の産地である。西海岸(黄海側)の北部にある泰安半島は海岸線の屈曲が大きく、典型的なリアス海岸になっている。年平均気温は11~13℃、1月平均気温は零下1~2℃、7月平均気温は24~26℃。年降水量は1100~1300ミリメートルである。

 本道のおもな産業は農業である。米は全国生産量の14.5%を占める。麦類は第4位。錦山、扶余(ふよ)、論山は朝鮮人参(にんじん)の生産地であり、礼山のリンゴ成歓(せいかん)のナシ、大田近郊のブドウなどが有名である。沿海ではタチウオイシモチ、カニの漁獲が多い。また海岸ではノリ、貝などを養殖する。地下資源は青陽の金鉱山と保寧の無煙炭がある。工業の成長はまだ貧弱だが、天安、新灘津(しんなんしん)、長項では新しい各種の工業地帯が造成されている。繊維、皮革、食料品、機械、化学工業などが盛んである。重化学工業部門は遅れている。道内には鶏竜山国立公園をはじめとして、温陽、儒城、道高、徳山などの温泉、大川と恋浦の海水浴場などの自然の観光資源が多い。また公州と扶余には百済(くだら)文化の遺産が多く、とくに百済文化祭は全国的に有名になっている。忠南大学校には百済研究所があり、公州大学には百済文化研究所がある。

[張 保 雄]

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百科事典マイペディア 「忠清南道」の意味・わかりやすい解説

忠清南道【ちゅうせいなんどう】

韓国中西部の道。5市15郡,道都は大田。大部分が丘陵で,南部には錦江が貫流して内浦平野をつくり,北部では挿橋川,天安川などが牙山湾に注ぐ。海岸はリアス式で,泰安半島が突出し,牙山湾,加露林湾,浅水湾などがあり,450余の島が散在する。古代には百済(くだら)がこの地域を中心に栄え,王都であった公州扶余には遺跡も多い。1896年に忠清道が2道に分割されたとき,忠清南道の道庁は公州に置かれたが,鉄道敷設により中心地が大田に変わり,1927年道庁も移された。朝鮮の代表的農耕地帯で,水田が多く,米,麦,莞草(かんそう),豆類,綿花,タバコ,薬用ニンジンなどを産する。沿岸ではグチ,タチウオの漁獲があり,金・銀鉱,黒鉛,タングステン,石綿,無煙炭が埋蔵される。大田の織物・皮革・油脂工場,長項製錬所,新灘津のタバコ工場がある。また本道には古くから温泉場が多く,温陽温泉や大田郊外の儒城温泉などは著名である。8586km2。208万2000人(2010)。
→関連項目湖南平野

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「忠清南道」の意味・わかりやすい解説

忠清南〔道〕
ちゅうせいなん

チュンチョンナム(忠清南)道」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の忠清南道の言及

【忠清道】より

…朝鮮半島中西部の地方で,朝鮮八道の一つ。韓国に属し,行政上は南北道と大田広域市に分かれ,人口は忠清北道(道庁所在地,清州)144万2191,忠清南道(道庁所在地,大田)185万5346,大田市126万8432(いずれも1995)。
[自然]
 地形的にきわめて対照的な東西二つの地域に分かたれる。…

※「忠清南道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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