怒(読み)ド

精選版 日本国語大辞典 「怒」の意味・読み・例文・類語

いかり【怒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「いかる(怒)」の連用形の名詞化 )
  2. ① 自分の望む方向に反するものの存在によって起こされた感情のいらだち。おこること。はらだち。立腹。いきどおり。
    1. [初出の実例]「忿(こころのイカリ)を絶(た)ち、瞋(おもへりのイカリ)を棄てて」(出典:日本書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓))
    2. 「人の御いかり出で来なば永きほだしとなりなむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
  3. ② 肩などが角ばっていること。ものの角ばった部分。また、鼻の穴のふくらみが左右に広がっていること。いかっていること。
    1. [初出の実例]「楚〈略〉長さ三尺五寸、ふしをもいかりをも削すつ」(出典:清原宣賢式目抄(1534)一〇条)

おこり【怒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「おこる(怒)」の連用形の名詞化 )
  2. ① おこること。いかり。立腹。
    1. [初出の実例]「他の人ならば一通りの怒(オコ)りでは有るまじ」(出典:たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉七)
  3. ② 「おこりじょうご(怒上戸)」の略。
    1. [初出の実例]「うるさやの・おこりのくせに梯子じゃナア」(出典:雑俳・玉の光(1844‐45)一)

ぬ【怒】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。三毒の一つ。いかり。瞋(しん)。瞋恚(しんい)。〔維摩経‐上〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「怒」の読み・字形・画数・意味

怒
常用漢字 9画

[字音] ド・ヌ
[字訓] いかる・おこる・しかる

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 形声
声符は奴(ど)。〔説文〕十下に「恚(いか)るなり」とあり、はげしく人を責める心情をいう。〔論語、雍也〕に、孔子が顔回をほめて「怒りを(うつ)さず、ちを貳(ふたた)びせず」と評している。

[訓義]
1. いかる、いきどおる、おこる。
2. しかる、せめる、あらそう。
3. はげしい、あらい、たかぶる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕怒 イカル・ウラム・ハヤル・セム・ハフル 〔字鏡〕怒 イカル・イカラカス・ハヤル

[語系]
怒・拏・弩・呶naは同声。はげしく勢いをつけた動作などをいう。

[熟語]
怒恚▶・怒怨▶・怒気▶・怒譴▶・怒言▶・怒吼▶・怒哮▶・怒詬▶・怒号▶・怒恨▶・怒嘖▶・怒視▶・怒▶・怒心▶・怒嗔▶・怒声▶・怒性▶・怒霽▶・怒譟▶・怒漲▶・怒潮▶・怒張▶・怒濤▶・怒罵▶・怒髪▶・怒発▶・怒臂▶・怒憤▶・怒沫▶・怒目▶・怒容▶・怒湧▶・怒雷▶・怒詈▶・怒流▶・怒浪▶・怒滝▶
[下接語]
威怒・恚怒・鬱怒・怨怒・慍怒・呵怒・赫怒・嚇怒・喜怒・激怒・譴怒・吼怒・怒・恨怒・嫉怒・衆怒・乗怒・嗔怒・震怒・盛怒・怒・責怒・躁怒・蔵怒・天怒・発怒・百怒・馮怒・憑怒・忿怒・憤怒・奮怒・怒・暴怒・勃怒・妄怒・余怒

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