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急性間欠性ポルフィリン症 キュウセイカンケツセイポルフィリンショウ

デジタル大辞泉の解説

きゅうせいかんけつせい‐ポルフィリンしょう〔キフセイカンケツセイ‐シヤウ〕【急性間欠性ポルフィリン症】

ポルフィリン症の一種。ふだんは症状がなく、栄養不良、ステロイドバルビツール酸系薬剤の摂取、ストレスなどを契機に発症する。腹痛・不整脈・ヒステリー様発作・不眠症・四肢のしびれなどの症状が見られる。ヘム合成酵素の欠損によりポルフィリンの前駆体が体内に蓄積することによって発症する。ポルフィリンは蓄積されないため、光線過敏症は発症しない。AIP(Acute intermittent porphyria)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

家庭医学館の解説

きゅうせいかんけつせいぽるふぃりんしょう【急性間欠性ポルフィリン症 Acute Intermittent Porphyria】

[どんな病気か]
 赤芽球性(せきがきゅうせい)プロトポルフィリン症と並んで、もっとも頻度の高いポルフィリン症です。
 肝臓でポルフィリンからヘムが合成されるときにはたらく12種類の酵素のうち、3番目の酵素の異常による病気で、体内に過剰のポルフィリンが蓄積します。その原因として100種近い遺伝子の異常が発見されています。
 発病は20~30歳代に多く、男女比は、2対3と女性に多くみられるため、性ホルモンが関係しているのではないかと推定されています。一生、発病せずに終わる場合も多いのですが、さまざまな誘因が加わると発病します。
 誘因としては、薬物(バルビタール、サルファ剤、避妊薬(ひにんやく)など)、飲酒、感染、手術、飢餓(きが)などがあります。
 女性では、月経周期や妊娠と関係して発病します。
[症状]
 腹部の症状(腹痛、嘔吐(おうと)、便秘(べんぴ))、神経症状(運動まひ、知覚障害、けいれん)と精神症状(不安、ヒステリー、錯乱(さくらん)、昏睡(こんすい))の3つがおもな症状です。これに、自律神経症状(発汗、頻脈(ひんみゃく)、高血圧)なども加わり、多彩な症状が現われます。
 前述の誘因が加わると、これらの症状が急激におこり、数日から数か月にわたって続きます。
[治療]
 大量のぶどう糖は、過剰に蓄積したポルフィリンを減少させます。したがって、ぶどう糖の大量投与が有効です。また、胃潰瘍(いかいよう)治療薬のシメチジンにも同じはたらきがあるので、治療薬として使われています。
 腹痛、けいれんを抑えるには、抗精神病薬の1つであるクロルプロマジンが有効です。便秘には、腸管の動きを活発にする薬を使用したり、腹部を温める熱気療法を行ないます。高血圧や頻脈は交感神経の緊張によりおこるので、交感神経を抑制する薬を使います。
 誘因を避け、感染や手術時には、ぶどう糖の大量使用で予防します。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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