六訂版 家庭医学大全科 「慢性便秘」の解説
慢性便秘
まんせいべんぴ
Chronic constipation
(食道・胃・腸の病気)
どんな病気か
大腸は、上部消化管で消化・吸収を受けたあとの残渣の処理と排泄を行う器管です。
便秘とは、糞便が長い間腸管にとどまって水分が減少して硬くなり、排便に困難を伴う状態のことで、通常は便の回数の減少、便量の減少、硬い便、排便困難感、残便感があるときに便秘と呼ばれています。ひどい便秘で苦しんでいる人は約5%とされ、加齢とともに増える傾向があります。
慢性の便秘とは、旅行などで食事や生活環境が急に変化して起こる一過性の便秘ではないものを指します。
原因は何か
便秘の原因は一般的に、機能性便秘(
そのほかには、薬剤性の便秘(向精神薬、抗コリン薬、抗けいれん薬、筋弛緩薬など)、代謝・内分泌性の便秘(糖尿病、
症状の現れ方
個人差が強く、一般的には腹部
検査と診断
器質的障害による便秘を区別するために、血液検査、腹部単純X線検査、大腸内視鏡検査や大腸X線検査が必要です。
治療の方法
便秘の原因になりえる疾患は、習慣性の便秘以外に、大腸の腫瘍や炎症、
機能性便秘の場合にはストレスを避けたり、生活や食事の習慣を変える必要があります。弛緩性便秘には
坂田 祐之, 藤本 一眞
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報