押し(読み)オシ

デジタル大辞泉 「押し」の意味・読み・例文・類語

おし【押し/圧し】

[名]
力を加えること。
㋐上から重みをかけること。また、そのもの。おもし。「漬物に―をする」「ズボンの寝―」
相撲で、四つ身にならず手のひら相手に当てて前へ進むこと。
無理にでも自分意志を通そうとすること。また、その力。「―の強い人」
わなの一。知らずに踏むとおもしが人や動物を打ち、圧死させる仕掛け。
「殿を作り、その内に―を張りて」〈・中〉
[接頭](押し)動詞に付く。
強力に、強引に、無理に、などの意を表す。「―つける」「―通す」
下に付く動詞の表す意味を強める。「―詰まる」「―黙る」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「押し」の意味・読み・例文・類語

おし【押・圧】

  1. [ 1 ] ( 動詞「おす(押)」の連用形の名詞化 )
    1. [ 一 ] 一点からいろいろの方向に力を加えること。また、そのためのもの。
      1. もとから外に向かって力を加えること。⇔引き
        1. (イ) 押すこと。おしつけること。「押しも引きもならぬ混雑ぶり」
        2. (ロ) 相撲の手で、手を相手の体にあてがい、押すこと。「押し切り」「押し出し」「押し倒し」などの極め手がある。
        3. (ハ) ( おしつけるような形で進めるところから ) 囲碁で、相手の石に密着して打ち進んで行く手口
        4. (ニ)おしかく(押角)」の略。
        5. (ホ) ビリヤードで押し球(だま)をとる突き方。押し球。
      2. 上から下方に向かって力を加えること。また、そのためのもの。
        1. (イ)(お)すこと。おさえつけること。また、そのために使う重いもの。おもし。
          1. [初出の実例]「くさりて虫になるぞ、それををしをかけてしぼるほどに」(出典:玉塵抄(1563)一)
        2. (ロ) わなの一つ。てこなどの仕掛けによりおもしで人を圧死させる装置。また、同類の仕掛けでねずみをとるもの。おとし。押機(おし)
          1. [初出の実例]「大殿を作り、其の殿の内に押機(おし)を作りて待ちし時に」(出典古事記(712)中)
          2. 「鼠弩 楊氏漢語抄云鼠弩〈於之〉一云鼠弓也」(出典:十巻本和名抄(934頃)五)
      3. 歌舞伎で、一幕見の立見席へ一人でも多く観客を押し込もうとする係りのこと。また、その立見の料金。一幕の料金は幕ごとに異なり、眼目(がんもく)の場は高く、幕ごとに集めて回る。
        1. [初出の実例]「どうせ呼び物の幕だから、二銭のおしも三銭と、高く取るのは一と幕見は、向ふの附目で仕方がねえ」(出典:歌舞伎・月梅薫朧夜(花井お梅)(1888)二幕)
    2. [ 二 ] 事にあたって威力を示したり制御したりすること。
      1. 自分の意見や希望をむりに通そうとすること。また、そのような性質。→お(押)しが強い
        1. [初出の実例]「城井に於ても押(オシ)は軽くない方であるから〈略〉依然其方針を取ってゐる」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中)
      2. 人をおさえ制すること。また、その力。→お(押)しが利く
        1. [初出の実例]「押強ふ其場くろめるばらけ髪」(出典:雑俳・折句杖(1796))
      3. 船荷重量をはかるとき、運賃を割引くねらいで、実際の重量、石数(こくすう)よりも少なくおさえ見積もること。そのとき生じた差を押石(おしこく)または押目(おしめ)という。
      4. 取引相場で値が一時さがること。
  2. [ 2 ] 〘 接頭語 〙 動詞の上に添える。
    1. 単に語勢を強める。「おしとどめる」「おしならす」など。
    2. 無理に…する。しいて…する。「おしとる」「おしつける」など。

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FX用語集 「押し」の解説

押し(押し目)

価格(取引レート)が上昇する場合でも、一定のリズムのもとで、軽く下落している局面があります。全体としては価格(取引レート)が上昇している場合に見られる軽い下落や現象を「押し」または「押し目」」と呼びます。英語では「押し」「押し目」のことを、“dip”と言います。英語で「押し目を拾え」は“Buy on dip.”と表現されます。

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