挽歌・輓歌(読み)ばんか

精選版 日本国語大辞典 「挽歌・輓歌」の意味・読み・例文・類語

ばん‐か【挽歌・輓歌】

〘名〙
① (「挽」は「柩(ひつぎ)をひく」の意) 葬送のとき、柩を載せた車をひく者のうたう歌。
太平記(14C後)三九「山中の御葬礼なれば、只徒(いたづら)に鳥啼て挽歌(ハンカ)の響をそへ」 〔晉書‐礼志中〕
② 人の死をいたむ詩歌哀悼の意を表わす詩歌。
随筆・独寝(1724頃)上一九「ゆふし余も輓歌をのべて手向」
③ (挽歌) 「万葉集」で、歌を内容から分類した名称の一つ。雑歌・相聞とともに三大部立の一つ。中国の詩、特に「文選」の挽歌詩の影響を受けたもの。この類には辞世や人の死、また伝説中の人物に関するものなどを含んでいる。平安時代以降の歌集では「哀傷」の部にあたる。
※万葉(8C後)二・一四五・左注「故以載于挽歌類焉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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