改まる(読み)アラタマル

デジタル大辞泉 「改まる」の意味・読み・例文・類語

あらたま・る【改まる】

[動ラ五(四)]
新しくなる。古いもの、旧来のものが新しいものと入れ替わる。「年が―・る」「法規が―・る」
悪い点、不備な点などがよいほうへ変わる。改善される。「性根しょうねが―・ってきた」「生活態度が―・らない」
ふだんとは違った、堅苦しい態度になる。他人行儀な態度をとる。「―・った顔つき」
(「革まる」とも書く)病状が急に重くなる。「容態が―・る」
[類語]変わる変ずる化する移る移ろう動く変える化ける変化する転化する変質する一変する一転する様変わりする豹変ひょうへんする急変する激変する変転する変動する変移する移行する推移する変遷する転変する流転する

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精選版 日本国語大辞典 「改まる」の意味・読み・例文・類語

あらたま・る【改・革】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 物事が新しくなる。古いものが新しいものに替わる。新しい段階に入る。入れ替わる。変化する。
    1. [初出の実例]「物は皆新(あらたまる)吉しただしくも人は古りゆくよろしかるべし」(出典:万葉集(8C後)一〇・一八八五)
    2. 「年あらたまりてなにごとかさふらふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)浮舟)
    3. 「人の心みなあらたまりて、ただ馬、鞍をのみ重くす」(出典:方丈記(1212))
  3. 物事が改善される。前よりもずっとよくなる。面目が一新される。
    1. [初出の実例]「『あらたまらざるものは心なり』とのたまへば」(出典:枕草子(10C終)四九)
    2. [その他の文献]〔楚辞‐離騒〕
  4. ことさらに態度を整えてきちんとする。堅苦しい他人行儀の態度やことばつきになる。「あらたまって」の形で副詞的にも用いる。
    1. [初出の実例]「ヲヲ、改った願とは何事じゃ」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)二)
    2. 「改って外出をする時を除くの外は」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)
  5. ( 「革」の字の訓読語として ) 病気が重くなる。容態が悪化する。危篤になる。
    1. [初出の実例]「急に病気があらたまって、重態におちた」(出典:雪夫人絵図(1948‐50)〈舟橋聖一〉一)
    2. [その他の文献]〔礼記‐檀弓・上〕
  6. 怠る。
    1. [初出の実例]「あらたまる心許さず一筋に誠ばかりで悪を去る年」(出典:黒住教教書(1909‐20)歌集)

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