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救貧制度 きゅうひんせいどpoor-relief system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

救貧制度
きゅうひんせいど
poor-relief system

自立できない社会的貧窮者に国家的援助を与える諸制度をいう。 1601年イギリスに救貧法が制定されて以来,欧米各国では長い歴史をもつ。しかし貧困に対する観念は各時代によって変化した。イギリスでは,中世においては,キリスト教精神に依拠して有産者の貧困者に対する慈善の義務が強調された。これに反して,自立,自助を説き近代社会の構築の理念となったピューリタニズムやその後の思想においては,逆に貧困が軽蔑され労働の義務が強調されて,貧困者や浮浪人救貧制度の一つである授産所に入れられ,強制労働が加えられた。 19世紀中葉から 20世紀に入ってたび重なる恐慌などによる大量の失業現象は,貧困が個人よりも社会構造に原因があることを人々に認識させた。各国は防貧や救貧を国家的義務と考え,多種多様な制度を設けている。日本における生活保護法は無差別平等の原則に依拠して国民の最低生活の保障を目指している。

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世界大百科事典 第2版の解説

きゅうひんせいど【救貧制度】

貧困者救済制度であるが,単に救済だけでなく,ひろく治安維持を目ざした矯正,抑圧の意味を持つこともある。ヨーロッパの中世封建社会では教会などにより慈恵的な〈与える〉だけの施策がとられていたが,資本主義社会に入って大量の貧困者が発生し,国家など公的権力の責任において組織的対策がとられるようになった。
[イギリス]
 絶対王政期に入り救貧法Poor Lawが生まれた。農村における囲込み(エンクロージャー),封建家臣団の解体,宗教改革にあたっての国王による修道院没収などにより封建的農奴制は崩壊し,多数の浮浪貧民が生じた。

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