斎藤徳元(読み)さいとうとくげん

精選版 日本国語大辞典 「斎藤徳元」の意味・読み・例文・類語

さいとう‐とくげん【斎藤徳元】

江戸初期の俳人美濃の人。名は龍幸。徳元は号。里村昌琢連歌を学ぶ。織田秀信に仕えたが、関ケ原戦いで敗れて亡命。のち、江戸に出て俳諧名家と目されるに至る。著「誹諧初学抄」「徳元俳諧鈔」がある。永祿二~正保四年(一五五九‐一六四七

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デジタル大辞泉 「斎藤徳元」の意味・読み・例文・類語

さいとう‐とくげん【斎藤徳元】

[1559~1647]江戸初期の俳人。美濃の人。名は竜幸。岐阜城主織田秀信に仕えたが、関ヶ原の戦いに敗れて若狭わかさ逃亡。のち、江戸に出て俳諧に専念した。著「俳諧初学抄」「徳元俳諧鈔」など。

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朝日日本歴史人物事典 「斎藤徳元」の解説

斎藤徳元

没年:正保4.8.28(1647.9.26)
生年永禄2(1559)
江戸初期の俳人,仮名草子作者。名は元信通称は斎宮頭。入道して徳元。別号,帆亭。里村昌琢(連歌師)門。美濃国(岐阜県)墨俣城主。関ケ原の戦で敗れ,若狭国(福井県)の京極家に亡命。寛永3(1626)年68歳の春,京極忠高に従い上京して昌琢,松永貞徳らと交流,また今出川の八条宮御所出入衆のひとりとなり,仮名草子『尤草紙』を著す。同5年冬,江戸に下り,以後,草創期江戸俳壇で最長老として活躍した。同18年1月,江戸版俳書の嚆矢である作法書『誹諧初学抄』を刊行し,心の俳諧を説いたが,作風は言語遊戯をもっぱらとする貞門風であった。一座する連歌作品も幾つか残っている。<参考文献>木村三四吾「斎藤徳元」(明治書院『俳句講座』2巻)

(加藤定彦)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「斎藤徳元」の意味・わかりやすい解説

斎藤徳元
さいとうとくげん

[生]永禄2(1559).岐阜
[没]正保4(1647).8.28. 丹後
江戸時代初期の俳人。名,利起。通称,斎宮,斎宮頭,又左衛門。別号,帆亭。戦国時代武士として豊臣秀次,織田信秀に仕えたが,関ヶ原の戦いで逃亡,のち京都,江戸に住み貞徳の門に入り俳諧に名を得た。特に草創期江戸俳壇の中心人物として活躍。連歌は昌琢門。編著『徳元千句』 (1628) ,『塵塚誹諧集』 (33) ,『誹諧初学抄』 (41) などのほか,仮名草子に『尤草紙 (もっとものそうし) 』があり,狂歌をもよくして『関東下向道記』 (28) には狂歌が多い。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「斎藤徳元」の解説

斎藤徳元 さいとう-とくげん

1559-1647 織豊-江戸時代前期の武将,俳人。
永禄(えいろく)2年生まれ。織田秀信につかえ,関ケ原の戦いで敗れた。のち若狭(わかさ)の京極忠高の臣となる。松永貞徳とまじわり,連歌を里村昌琢(しょうたく)にまなぶ。寛永5年江戸にうつり,初期江戸俳壇の長老として活躍。正保(しょうほ)4年8月28日死去。89歳。美濃(みの)(岐阜県)出身。名は元信。通称は斎宮頭。別号に帆亭。

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世界大百科事典(旧版)内の斎藤徳元の言及

【狂歌】より

…安土桃山時代の狂歌作者には,南禅寺の住持にまでなった禅僧で《詠百首狂歌》の作者雄長老,当代歌学の権威細川幽斎,碁の名人本因坊算砂,豊臣秀吉の御伽衆(おとぎしゆう)大村由己,狂歌百首をのこした聖護院道増,《醒睡笑》の作者で浄土宗誓願寺の住職安楽庵策伝,公家の烏丸光広らがあり,それぞれの道の第一級の人々が余技として狂歌を楽しんだ。寛永以後は貞門俳人が中心で,松永貞徳,斎藤徳元,半井卜養,池田正式(まさのり),石田未得,高瀬梅盛らにまとまった作品があり,俳諧点取りの奥書に狂歌が応酬されていたりする。《古今夷曲集》の生白庵行風(せいはくあんこうふう)や《鳩の杖集》の豊蔵坊信海(ほうぞうぼうしんかい)になると,俳諧より狂歌に重点が移ってくる。…

【徳元】より

…江戸前期の俳人。姓は斎藤,名は元信,通称は斎宮頭,入道して徳元。別号は帆亭。織田秀信の代官正印軒元忠の子。岐阜の人。里村昌琢門。文禄年間(1592‐96)豊臣秀次に仕官,このころに《近衛三藐院(さんみやくいん)点独吟魚鳥俳諧》が成る。のち秀信に仕え,1600年(慶長5)42歳の秋,関ヶ原敗戦によって美濃加治田村へ退き,若狭に亡命,京極忠高に小姓衆として仕官する。《塵塚誹諧集》冒頭には,〈雪や先とけてみづのえねの今年〉(1612)の歳旦句が見える。…

※「斎藤徳元」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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