新熊野神社(読み)イマクマノジンジャ

デジタル大辞泉 「新熊野神社」の意味・読み・例文・類語

いまくまの‐じんじゃ【新熊野神社】

今熊野町にある神社祭神伊弉諾尊いざなぎのみこと。応保元年(1161)後白河法皇創建古文書を多数所蔵。古称、今熊野権現。

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日本歴史地名大系 「新熊野神社」の解説

新熊野神社
いまくまのじんじや

[現在地名]東山区今熊野椥ノ森町

東大路ひがしおおじ通の西側に位置する。鳥居は東面して東大路通に向かうが、拝殿社殿はともに南面する。祭神は伊弉冊いざなぎ命。現在の祭日は五月五日。今熊野とも記した。

〈京都・山城寺院神社大事典〉

〔勧請〕

熊野信仰の高まりのなかで、後白河院が紀州熊野権現本宮の祭神を勧請し、院御所である法住ほうじゆう寺殿の鎮守としたのに始まる。「百錬抄」永暦元年(一一六〇)一〇月一六日条に「奉熊野御躰於新造社壇、今熊野是也、上皇御願也」とあって、新造の社殿に御正体が移され、熊野新宮、新熊野の名でよばれた。「雍州府志(貞享三年刊)には「以那智土沙斯地」とあり、またこの地を掘れば紀州海浜に特有の「青白石」が出るとも記している。創建時の社域は明らかでないが泉涌寺門前せんにゆうじもんぜん(現東山区)内に鳥居崎とりいざきという字があり、ここを南端とみれば現状に数倍するものであった。

〔寺領〕

養和元年(一一八一)一二月八日の後白河院庁下文案(新熊野神社文書)によれば、同年一〇月、神社の所司らは仏聖灯油料として院より寄進された荘園に、近頃事あるごとに国役が課されるので神事などに支障を来していると訴えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「新熊野神社」の意味・わかりやすい解説

新熊野神社【いまくまのじんじゃ】

京都市東山区に鎮座。今熊野とも記す。祭神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)。1161年後白河(ごしらかわ)法皇が深く信仰していた紀州の熊野三所権現(くまのさんしょごんげん)を勧請。《梁塵秘抄(りょうじんひしょう)》・《玉葉(ぎょくよう)和歌集》・《太平記》などにたびたび見え,文学上も重要であった。室町期以後は修験道本山派の本山聖護(しょうご)院の院家先達を務め,諸国の多くの霞下(かすみした)を支配した。
→関連項目三入荘

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