新皇(読み)シンノウ

デジタル大辞泉 「新皇」の意味・読み・例文・類語

しん‐のう〔‐ワウ〕【新皇】

《「しんおう」の連声れんじょう
あたらしく皇位についた人。新帝
天慶2年(939)平将門が東国の支配者として自称したという称号

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精選版 日本国語大辞典 「新皇」の意味・読み・例文・類語

しん‐のう‥ワウ【新皇・新王】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しんおう」の連声 )
  2. 新しく皇位、王位についた人、または、つくべき人。新帝。
    1. [初出の実例]「君は父の大王をして新王と成れ」(出典今昔物語集(1120頃か)三)
  3. ( 新皇 ) 朱雀天皇の天慶二年(九三九)、平将門が、常陸下野上野(現在の茨城栃木、群馬各県)などの国府を占拠した後、京の「本天皇」に対して、東国の支配者として自称したという称号。
    1. [初出の実例]「自ら製して謚号(いみな)を奏し、将門を名づけて新皇と曰ふ」(出典:将門記(940頃か))

しん‐こう‥クヮウ【新皇】

  1. 〘 名詞 〙しんのう(新皇)

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改訂新版 世界大百科事典 「新皇」の意味・わかりやすい解説

新皇 (しんのう)

平将門のこと。《将門記》によると,939年(天慶2)11月21日に常陸国府を制圧した将門は,12月19日に上野の国司を追放して国庁に入り,弟や従者伊豆と関東諸国の受領(ずりよう)に任じたが,このとき八幡大菩薩の使と口ばしる昌伎から位記を授けられ〈新皇〉と称するようになる。同書はこれ以後の将門を新皇と記すが,一方で京都の朱雀天皇を〈本皇〉〈本天皇〉としているので,新皇とはもともとの天皇に対する新しい天皇の意味であろう。《将門記》によると将門は,東丹の建国者耶律阿保機を例にあげて武力による国家建設の正当性をとき,足柄碓氷の2関を固めて坂東を防ぐことを主張しており,ここには関東国家樹立の意図が認められるが,将門が本皇の存在を前提として新皇と称したとすれば,その関東国家は,本天皇支配下の自立国家,日本国家と朝貢関係にある地方国家のようなものと解される。《平家物語》(延慶本),《太平記》以後,〈平親王〉というよび方があらわれてしだいに一般化し,将門は天皇になろうとしたのではなく,天皇の子息であることを主張して〈親王〉を称したにすぎない,という将門冤罪論者の主張も行われているが,これは史料的には無理である。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「新皇」の解説

新皇
しんのう

平将門(まさかど)が称した君主号。「将門記」によると,将門は939年(天慶2)12月,坂東諸国を軍事占領した段階で,武蔵権守興世(おきよ)王の進言により,桓武5世孫の血統と大陸での実力による王朝簒奪の事実を根拠に新皇に即位したという。反乱勢力の結束を強化し,将門が君主たることの認知を坂東諸国の在庁官人・郡司・田堵(たと)から獲得するうえで,即位儀礼の挙行は重要な意味をもったと思われる。

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旺文社日本史事典 三訂版 「新皇」の解説

新皇
しんのう

平将門 (たいらのまさかど)

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