日向市(読み)ヒュウガシ

デジタル大辞泉 「日向市」の意味・読み・例文・類語

ひゅうが‐し〔ひうが‐〕【日向市】

日向

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日本歴史地名大系 「日向市」の解説

日向市
ひゆうがし

面積:一一七・三〇平方キロ

県の北東部に位置し、北は東臼杵郡門川かどがわ町。西は同郡東郷とうごう町、南は児湯こゆ都農つの町。東は日向灘に面し、リアス海岸を形成する。こめノ山(一九一・六メートル)くしノ山(九五・九メートル)がある細島ほそしま半島はほぼ中央部で二つに分れ、間の入海に天然の良港細島港(細島商業港)が整備されている。また半島の北側が埋立てられ、細島新港(細島工業港)が造成されて、臨海工業地帯となっている。ほぼ中央部を東流する塩見しおみ川が南東流してきた富高とみたか川と合流し、川幅を広げ櫛ノ山の南で海に注ぐ。塩見川沿いに平野が広がり、市街地を形成している。ほかに亀崎かめざき川・赤岩あかいわ川・石並いしなみ川・耳川などが市域を東流する。市中央部以外はまとまった平野はなく、戸高とだか(一六三・四メートル)永田ながた(二五七メートル)高森たかもり(三四一・八メートル)など標高一〇〇―三〇〇メートル級の山々に囲まれている。JR日豊本線と国道一〇号が南北にほぼ並走し、国道一〇号から分岐した国道三二七号が塩見川北岸を西に延びる。

〔原始〕

遺跡は海岸部にみられる海岸段丘面や河岸段丘面を中心に分布し、複合遺跡が多い。旧石器時代の遺跡は海岸段丘面の縁辺部に多く確認され、チャート素材の尖頭器が出土した別府びゆう遺跡(美々津町)畑浦山はたうらやま遺跡(細島)ナイフ形石器が出土した百町原ひやくちようばる遺跡(美々津町)などが知られている。縄文時代の遺跡は市内全般に分布し、塩見地区には押型文土器が出土した中村なかむら遺跡や奥野おくのA遺跡・同B遺跡がある。ほかに鐘崎式土器が採集された幸脇さいわき地区の飯谷いいだに遺跡、十字形石製品が出土した鹿場しかば遺跡(美々津町)、押型文土器や貝殻文土器、集石遺構が数多く検出された後陣ごじん遺跡(旧越シ一号遺跡)など注目すべき遺跡が多い。日知屋ひちや地区から美々津みみつ地区にかけては弥生時代中期―後期の遺跡が確認されている。後陣遺跡からは複合口縁壺を伴う竪穴住居跡が検出されており、また沖積平野部の微高地には弥生時代の遺跡の存在する可能性が高いと思われるが、未確認である。

古墳時代の遺跡は市内の丘陵縁辺部を中心に分布し、富高古墳群・美々津古墳(ともに県指定史跡)が代表例として知られる。富高古墳群は日向地区最大の墳墓群で、なかでも富高一号墳(円墳)・富高二号墳(前方後円墳)は、塩見川北岸の眺望のよい丘陵縁辺部に立地し、四神四獣鏡などが出土している。周辺に位置する鈴鏡塚れいきようづか古墳(円墳)では県内唯一の獣文八鈴鏡が確認されており、一帯に有力者集団の存在したことがうかがえる。

日向市
ひゆうがし

2006年2月25日:日向市が東臼杵郡東郷町編入
【東郷町】宮崎県:東臼杵郡
【日向市】宮崎県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日向市」の意味・わかりやすい解説

日向〔市〕
ひゅうが

宮崎県北東部,日向灘に臨む市。 1951年市制。 1955年美々津町,2006年東郷町を編入。市の中央部を塩見川が東流し,下流の沖積地に市街地が開ける。西部はほとんどが山林で,耳川北西から南東へ流れる。室町時代,日向国地頭伊東氏,のち島津氏が支配し,延岡藩領を経て,江戸時代の元禄5 (1692) 年以後は天領となり,富高日田代官の手代所が置かれた。東部の細島は古くから商港として栄え,宋,明との貿易船の寄港地でもあった。 1942年から埋め立てによる工業用地造成が行なわれ,1951年重要港湾に,1964年延岡市などとともに新産業都市に指定され,製糖,繊維,飼料,金属などの工場が立地した。伊勢ヶ浜では大ハマグリが採取され,その貝殻を利用した白碁石は特産。山間部では林業シイタケの栽培が中心。市域中央部の坪谷に若山牧水の生家と記念館がある。細島の妙国寺庭園は国の名勝。耳川河口に近い美々津は神武天皇が東征の船出をしたという伝説が残り,古い港町の姿をとどめ,国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。耳川以北の海岸は大部分が日豊海岸国定公園に属する。 JR日豊本線と国道 10号線,327号線,446号線が走る。面積 336.95km2。人口 5万9629(2020)。

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