鎌倉後期の日蓮(にちれん)宗の僧。甲斐(かい)公・蓮華阿闍梨(れんげあじゃり)と号する。駿河(するが)国(静岡県)の松野氏の一族に生まれ、日興(にっこう)に導かれて日蓮の弟子となる。駿河国の天台宗四十九院(しじゅうくいん)で信仰上の抗争が起きたとき、日興・日持(にちじ)らが供僧(ぐそう)として申状を提出しており、もとは天台宗の僧であった。日蓮の入滅にあたっては本弟子に選ばれ、後世に六老僧の一人として敬われる。1288年(正応1)には、日浄とともに願主となって東京・池上(いけがみ)本門寺の日蓮木像(国重要文化財)を造立。1295年(永仁3)海外布教を志して渡島(おしま)(北海道)に向かったが、没した所は不明という。
[中尾 尭 2017年9月19日]
鎌倉時代の日蓮宗の僧。駿河国松野氏の出身と伝える。生没年不詳。駿河の天台寺院四十九院の住僧であったが,同寺の日興(につこう)に教化されて,日蓮の弟子となり,甲斐公,蓮華阿闍梨(あじやり)と称した。1282年(弘安5)日蓮が本弟子6人(六老僧)を指定したおり,その一人に加えられたが,最初の師日興は,日持を自分に背いたと非難している。のち駿河を離れたらしく,88年(正応1)日蓮の七年忌に,日蓮の肖像を造立して日浄とともに願主として武蔵池上に安置しているところから,このころ武蔵・相模地方にいたと考えられる。こののち,東北地方を経て北海道にいたり,さらに大陸に渡って弘通(ぐづう)したと伝えられ,日持創建と称する寺もあるが,その事跡は未詳である。
執筆者:高木 豊
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(佐々木馨)
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