岩崎弥之助(読み)イワサキヤノスケ

百科事典マイペディア 「岩崎弥之助」の意味・わかりやすい解説

岩崎弥之助【いわさきやのすけ】

三菱財閥の2代目で岩崎弥太郎の弟。土佐の人。創業者弥太郎の没後三菱は政府後援の共同運輸会社と利益の少ない激烈な商戦を継続して展開していた。弥之助は日本の海運業前途のため三菱が海運事業から転換することを決意。政府勧告にのっとり三菱会社共同運輸会社を合併して日本郵船創立されると,1886年海運を除く三菱の諸事業(鉱山・造船・銀行など)をまとめて三菱社(三菱合資会社前身)を設立社長となる。この転換により三菱は,弥太郎の時代の海運中心から陸上事業中心に再生された。1896年弥太郎の長男の久弥に社長を譲り,同年日銀総裁に就任。文化事業にも力を入れ静嘉堂文庫を作った。
→関連項目岩崎小弥太小岩井農場

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩崎弥之助」の意味・わかりやすい解説

岩崎弥之助
いわさきやのすけ
(1851―1908)

三菱(みつびし)財閥第2代の統率者。明治の代表的な実業家。嘉永(かえい)4年1月8日、土佐国安芸(あき)郡井ノ口村(高知県安芸市)に三菱の創業者弥太郎(やたろう)の弟として生まれる。藩校致道館(ちどうかん)や大坂の成達(せいだつ)書院に学び、兄弥太郎の片腕となって九十九(つくも)商会以来の草創期三菱の事業に尽力した。1885年(明治18)弥太郎の死後、海運業を分離した後の三菱社の社長となり、事業多角化に努め、93年財閥本社(三菱社)、銀行、鉱山、炭礦(たんこう)、造船などを一体とした三菱合資会社を発足させた。その際、社長を弥太郎の長男久弥(ひさや)へ譲り後見役に退いた。96年第4代日銀総裁に就任。なお同年には久弥とともに男爵を授けられた。妻早苗(さなえ)は後藤象二郎(しょうじろう)の娘、長男小弥太(こやた)は第4代の三菱財閥統率者になる。

[松元 宏]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩崎弥之助」の意味・わかりやすい解説

岩崎弥之助
いわさきやのすけ

[生]嘉永4(1851).1.8. 土佐
[没]1908.3.25. 東京
三菱財閥の2代目の当主。岩崎弥太郎の弟で,弥太郎の在世中はその補佐役であったが,1885年兄のあとをうけて三菱会社の社長となり,敵対していた共同運輸会社と合併して日本郵船会社を設立。その後も鉱山,銀行,造船など諸事業を発展させ,三菱財閥を確立させた。 93年三菱合資会社に改組し,弥太郎の嗣子久弥に社長を譲って引退,96年日本銀行総裁となる。彼の在任期間は短かったが,金本位制の確立,恐慌対策において努力するところがあった。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岩崎弥之助」の解説

岩崎弥之助 いわさき-やのすけ

1851-1908 明治時代の実業家。
嘉永(かえい)4年1月8日生まれ。岩崎弥太郎の弟。三菱財閥2代目。明治18年病死した兄の跡をつぎ郵便汽船三菱社長となる。共同運輸と合併し日本郵船を設立するとともに海運事業から転換。鉱業,造船,銀行などの事業をすすめる。26年甥(おい)の岩崎久弥と三菱合資を創立。29年第4代日銀総裁。静嘉堂文庫をつくった。明治41年3月25日死去。58歳。土佐(高知県)出身。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「岩崎弥之助」の解説

岩崎弥之助
いわさきやのすけ

1851.1.8~1908.3.25

明治期の実業家。土佐国生れ。岩崎弥太郎の弟。弥太郎の主宰する郵便汽船三菱会社の経営を助けたが,1885年(明治18)弥太郎の死にともない同社の社長に就任,同年共同運輸と合併して日本郵船を設立した。86年三菱社を設立,鉱業・造船などを拡充して三菱財閥の基礎を築き,93年弥太郎の長男久弥を社長に合資会社に改組した。96年男爵。同年日本銀行総裁に就任,98年退任した。

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367日誕生日大事典 「岩崎弥之助」の解説

岩崎 弥之助 (いわさき やのすけ)

生年月日:1851年1月8日
明治時代の実業家。男爵;三菱商会社長
1908年没

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