デジタル大辞泉 「晨」の意味・読み・例文・類語 しん【晨】[漢字項目] [人名用漢字] [音]シン(漢) [訓]あした夜明け。早朝。「晨星・晨朝/早晨」[名のり]あき・とき・とよ 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「晨」の意味・読み・例文・類語 しん【晨】 [ 1 ] 〘 名詞 〙 夜明け。また、鶏が夜明けをつげること。[初出の実例]「夫来而不レ留。薤壟有二払レ晨之露一」(出典:本朝文粋(1060頃)一三・供養自筆法華経願文〈兼明親王〉)[その他の文献]〔書経‐牧誓〕[ 2 ] 二十八宿の東方第四宿。房星。そいぼし。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「晨」の読み・字形・画数・意味 晨人名用漢字 11画(異体字)19画 [字音] シン[字訓] あさ・あした[説文解字] [甲骨文] [金文] [字形] 形声正字はに作り、辰(しん)声。〔説文〕七上に「星なり。民の田時を爲すなり」とし、星の名とする。〔爾雅、釈天、星名〕に「大辰は心(星宿の名)の尾なり。大火、之れを大辰と謂ふ」とあり、〔国語、周語上〕に「農は晨正なり」とあって、農時を示すものとされた。晶は星の象。星の初文はに作る。晨は晨旦・昧爽の意である。〔説文〕は字条三上に「早なり。昧爽なり」とする。は辰(しん)(肉)を両手でもつ形で、金文の〔師鼎(ししんてい)〕の字はに従う形に作り、昧晨の字とは形が異なる。経伝の文に、昧晨の字には晨を用い、を用いることはほとんどない。農の初文はその形に従っており、晨を農祥とすることは、そのの字と関係があろう。[訓義]1. 房星。2. あさ、あした、つとめて。3. あしたする、あさをつげる。4. (晨風)と通じ、はやぶさ。[古辞書の訓]〔名義抄〕晨 アシタ・アケヌ・トキ・ナブルコト・トモ・ツクス・アキラカナリ・ケサ/凌晨 アサボラケ/晨 アリアケ 〔字鏡集〕晨 アシタ・ハノカス・アキラカ・トシ・アケヌ・トキツルキ・トキナブルコト・トリノヒ[語系]晨・zjinは同声。〔説文〕に晨を星名、を昧爽の意とするが、晨にその両義があり、は別義の字であろう。〔説文〕三上にを「(きよく)辰に從ふ。辰は時なり。辰は亦聲なり。(けき)夕を(しゆく)(夙)と爲し、晨をと爲す。皆同なり」という。は月を拝する形であるが、辰は時をもつ形とはしがたく、辰は蜃、肉を奉持する儀礼で、おそらく農祭に関するものであろう。ゆえに農の初文はに従う形に作る。のち晨・は同義の字として扱われている。[熟語]晨映▶・晨烟▶・晨賀▶・晨駕▶・晨渇▶・晨寒▶・晨気▶・晨起▶・晨▶・晨暉▶・晨曦▶・晨旭▶・晨鼓▶・晨午▶・晨耕▶・晨興▶・晨行▶・晨光▶・晨昏▶・晨斎▶・晨爨▶・晨▶・晨事▶・晨粥▶・晨出▶・晨妝▶・晨宵▶・晨照▶・晨鐘▶・晨色▶・晨食▶・晨炊▶・晨酔▶・晨省▶・晨正▶・晨征▶・晨星▶・晨霽▶・晨夕▶・晨饌▶・晨装▶・晨▶・晨旦▶・晨釣▶・晨朝▶・晨潮▶・晨暾▶・晨鉢▶・晨飯▶・晨▶・晨婦▶・晨風▶・晨暮▶・晨霧▶・晨明▶・晨門▶・晨夜▶・晨曜▶・晨耀▶・晨霤▶・晨旅▶・晨路▶・晨露▶・晨漏▶[下接語]花晨・詰晨・晨・候晨・告晨・今晨・司晨・夙晨・初晨・宵晨・清晨・夕晨・早晨・霜晨・達晨・微晨・風晨・払晨・芳晨 14画(異体字)晨人名用漢字 11画 [字音] シン[字訓] あした[説文解字] [甲骨文] [金文] [字形] 会意辰(しん)+(きよく)。〔説文〕三上に「早なり。昧爽(まいさう)なり」と早朝の意とする。別に字条七上に「星なり」とし、・(晨)を別の字とする。一般に経伝に晨・を同字として用いる。晨を房星の意とするのは、おそらく後起の義。晨は晶(星の象)に従って早晨の意。は辰()肉を両手で持つ形であるから、別義の字とみられ、肉を扱う儀礼に関する字であろう。農の初文は、その形に従う。金文の〔師鼎(ししんてい)〕のは(しん)に従う形で、には震驚の意がある。・晨は別義異字であるから、晨と区別してここに録する。[訓義]1. あした、つとめて、あさ早く。2. 本義は、肉をもつ儀礼であろう。[部首]〔説文〕に、〔玉〕に晨をの異文として加える。・晨の混淆は早い時期から起こっており、そのため同字とされたのであろう。[語系]・晨zjinは同声。〔説文〕は晨を房星とし、民の田時をなすものとして、農との関係を求めている。卜文に夙(しゆく)をに作り、その字形は辰肉を奉ずる形ともみえる。は〔説文〕七上に「早なり」とあり、農事の儀礼をいう字であろう。晨・にまた通用の義がある。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報