有り得る(読み)アリウル

デジタル大辞泉 「有り得る」の意味・読み・例文・類語

あり・うる【有り得る】

[動ア下二][文]あり・う[ア下二]
起こる可能性がある。当然考えられる。「すでに手遅れということも―・うる」「事故発生は―・うることだ」
世の中にあることができる。生きていくことができる。
「しましくもひとり―・うるものにあれや島のむろの木離れてあるらむ」〈・三六〇一〉
[補説]文語「ありう」の連体形「ありうる」が終止形にも用いられ、変則的な下二段活用になっている。
[類語]可能可能性ポシブルポシビリティープロバビリティー将来性蓋然性公算成算心当て望み伸び代予見予知余地予断目算駄目で元元駄目元見込み見通し見当読み見極め当て目当て目安目処めど展望目標予測予想予期目星計算

あり・える【有り得る】

[動ア下一]ありうる(有り得る)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「有り得る」の意味・読み・例文・類語

あり‐・うる【有得】

  1. 〘 自動詞 ア行下二段活用 〙
    [ 文語形 ]あり・う 〘 自動詞 ア行下二段活用 〙 あることができる。あることが可能である。
  2. 世の中にあることができる。生活していくことができる。生き長らえられる。
    1. [初出の実例]「しましくも独(ひとり)安里宇流(アリウル)ものにあれや島のむろの木離れてあるらむ」(出典万葉集(8C後)一五・三六〇一)
  3. ある可能性がある。可能性として考えられる。
    1. [初出の実例]「斯の如き野蛮的行動はあり得べからざる奇蹟に属して居る」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉八)
    2. 「補助金政策をある程度くみこむことは、現実政策としてはありうることと考えている」(出典:現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉III )

有り得るの語誌

文語「ありう」の連体形「ありうる」が終止形にも用いられるようになり、文章語として固定したために、「ありえる」という形にならず、現在の口語でもこの形を保っているものと思われる。


あり‐・える【有得】

  1. 〘 自動詞 ア行下一段活用 〙ありうる(有得)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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