江戸後期の歌人。備中(びっちゅう)国浅口郡長尾村(岡山県倉敷市)の農家に生まれる。同村の小野櫟翁(れきおう)に連れられて京都に上り、澄月(ちょうげつ)、慈延(じえん)に和歌を学んだが、のち香川景樹(かげき)(桂園(けいえん))の門人となり、熊谷直好(くまがいなおよし)と並んで桂園派の双璧(そうへき)と称された。直好は忠実に師説を祖述したが、幸文は景樹に反発することが多く、随筆『亮々(さやさや)草紙』(1820)の刊行をめぐっても問題があった。文政(ぶんせい)4年11月2日に大坂白子町の亮々舎(さやさやのや)で43歳で没した。没後に家集『亮々遺稿』が刊行されたが、集中の「貧窮百首」は幸文の名を不朽のものとした。未刊の著書に『万葉集註釈(ちゅうしゃく)』『古今集愚案』などがある。
[兼清正徳]
かにかくに疎(うと)くぞ人の成にける貧しきばかり悲しきはなし (「貧窮百首」のうち)
『兼清正徳著『木下幸文伝の研究』(1974・風間書房)』
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(久保田啓一)
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