登記が完了したことを証する書面を〈登記済証〉というが,そのうち,権利(土地の所有権,抵当権など)の取得が完了したことを証する登記済証,および所有権の登記がある土地の合筆または建物の合併の登記が完了したことを証する登記済証を,俗に〈権利証〉という。登記の申請をするには,登記原因証書(土地の売買契約書など)または申請書副本を提出しなければならない(不動産登記法35条1項2号,40条)。そして登記が完了したとき,その証書ないし副本に受付年月日,受付番号,順位番号および登記済みの旨が記載され,登記所の印が押印されたものが登記権利者に還付される(60条1項)。登記名義人が登記義務者として登記を申請するには,権利証を提出しなければならない(35条1項3号)。たとえばAがBに土地を売り渡し,AからBへの所有権移転登記がされ,Bが権利証を所持している場合において,BがCにその土地を贈与し,所有権移転登記の申請をするときは,Bの所持する権利証を提出しなければならない。権利証を所持する者は権利者(登記名義人)であると推定することができるので,登記申請の際に申請人に権利証を提出させることによって,申請人が登記名義人に間違いないことを担保しようという趣旨である。このように,権利証はあたかも登記されている権利を表象している書面のように取り扱われる。しかし権利証を所持する者が,間違いなく現在の権利者であると断定することはできないし,権利証がなくても〈保証書〉により登記をすることもできる(44条)ので,注意を要する。
→不動産登記
執筆者:坂本 昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
登記完了の証明書で、正確には登記済証という。旧不動産登記法の下では、登記が完了すると登記所は、登記原因を証する書面(たとえば売買契約書)または申請書の副本に申請書受付の年月日・受付番号・順位番号・登記済の旨を記載し、登記所の印を押して登記権利者(売買の場合は買い主)に還付した。しかし、不動産登記法の改正に伴い、2005年(平成17)3月7日以降は「登記済証」制度がなくなり、従来の登記済証(権利証)にかわるものとして、登記識別情報が利用されている(不動産登記法21条)。ただし、すでに発行された登記済証(権利証)は、今後も有効に使用することができる。
[高橋康之・野澤正充]
出典 不動産売買サイト【住友不動産販売】不動産用語辞典について 情報
出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報
…ディオファントス方程式Diophantine equationともいう。方程式3X+5Y=1やX2+Y2=Z2のような,整数係数の代数方程式の整数解を求めることを不定方程式を解くという。整数解が無限に存在して定まらないことがあるので,不定ということばが用いられている。今日では,方程式の係数や解に関して整数であるという条件のほかに,有理数である,またはある代数体の整数環に含まれるなどの条件を考えることもある。…
※「権利証」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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