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五編五冊 寺門静軒(良)著 天保三―七年刊
解説 版本は国立国会図書館(六冊)・都立中央図書館などが所蔵。ほかに安政六年版・刊行年不明がある。天保初期の江戸の風俗を静軒独特の漢文で記している。内容は相撲・茶屋・新吉原など数十の項目に及ぶ。退廃的な当時の風俗を忠実に描写していることから、幕府は「風紀壊乱」として発禁処分とした。
活字本 古典研究昭和一四の一二別冊付録・東洋文庫・新日本古典文学大系
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出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…幕末から明治初年にかけて流行した漢文戯作の一ジャンル。中国の遊里風俗を描いた《画舫録》《板橋(はんきよう)雑記》などの艶史類,および市河寛斎の《北里歌(ほくりか)》(1786)などの漢詩による風俗誌ともいうべき竹枝(ちくし)類の影響のもとに,都市のさまざまな局面をスケッチした漢文体の戯作で,ふつう,京都の名所案内記として歓迎された中島棕隠(そういん)の《鴨東(おうとう)四時雑詞》120首本(1826)が先駆的な作品と考えられているが,〈繁昌記物〉と呼ばれるジャンルを確立したのは,江戸の浪人儒者寺門静軒(てらかどせいけん)の《江戸繁昌記》(1832‐36)である。諧謔と風刺をぞんぶんに交えたスタイル,報告ふうな背景と逸話ふうな市井の人物描写を組み合わせるかたちで都市の多様な風景を切りとるパノラマ的な構成とを打ちだした《江戸繁昌記》は,その後にあらわれる〈繁昌記物〉の形式を決定した。…
※「江戸繁盛記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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