池島(読み)いけしま

日本歴史地名大系 「池島」の解説

池島
いけしま

[現在地名]外海町神浦池島郷

神浦こうのうら村の西方沖にある池島を村域とする。江戸時代は神浦村のうちで、東西一二町・南北一〇町、周囲一里八間で、東西三町余・南北二町余、周囲九町三九間余、深さ二、三尋から六、七尋の池があった(大村郷村記)。神功皇后伝説によれば、三韓出兵の帰途に上陸、遠征の労をいやし、島の池の水面にその姿を映したので後世にはかがみの池と称されたという。この池が切られて池島湊になる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「池島」の意味・わかりやすい解説

池島
いけしま

長崎県南部、角力灘(すもうなだ)に浮かぶ島。長崎市に属する。面積1.06平方キロメートル。池島炭鉱炭田閉山が相次ぐ1952年(昭和27)に開坑され、1960年には営業ペースにのり、従業員1800、月産10万トンを出炭するビルド鉱に成長した。開鉱前は戸数80の半農半漁村であったが、高層アパートが建ち並び、小さな島に人口集中地区を形成した。しかし炭鉱は2001年(平成13)に閉山し、閉山後の地域対策が課題となっている。飲料水は真空蒸留装置によって海水を淡水化し、住民に無料で供給している。池島港は、鏡池(かがみいけ)を切り開いて港湾化した人工港で年間120万トンに上る石炭の積み出しが行われた。神浦(こうのうら)港(長崎市)、大瀬戸港(西海市)、佐世保(させぼ)港から定期船が出入りしている。現在、池島炭鉱跡は体験型の観光地となっている。人口345(2009)。

[石井泰義]

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改訂新版 世界大百科事典 「池島」の意味・わかりやすい解説

池島 (いけしま)

長崎県西彼杵(にしそのぎ)半島の西方に浮かぶ面積0.9km2小島。西彼杵郡外海(そとめ)町(2005年より長崎市)に属し,全島松島炭鉱池島鉱業所の海底炭採掘基地である。1960年から出炭を開始した新しい炭鉱で,出炭量は年間100万t前後(2001年閉山)。コークスまたは石炭ガスをつくるための原料炭得率は60%をこえ,外国の強粘結炭との配合炭として需要が多い。鏡ヶ池を利用して築港した池島港があり,2000トン級の船舶が入港して石炭を積み出す。採炭機械,高層アパートの炭住街,海水淡水化プラントによる生活用水の供給など新しい施設を備えている。島の人口は2002年には1000人以下となった。
松島炭田
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「池島」の意味・わかりやすい解説

池島
いけしま

長崎県南西部,西彼杵半島の西方海上 6kmにある島。長崎市に属する。 1951年に池島炭鉱が開発され,1952年から採掘を開始。鏡池を切り開いて築港した池島港から対岸の大瀬戸へ石炭の積み出しが行なわれた。 2001年 11月閉山。佐世保,長崎への定期航路がある。面積 0.92km2。人口 2799 (2000) 。

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デジタル大辞泉プラス 「池島」の解説

池島

長崎県、西彼杵半島の神浦港の西沖、松島の南方約3キロメートルの角力(すもう)灘に浮かぶ島。面積約1.06平方キロメートル。長崎県長崎市に属する。かつては国内有数の炭鉱の島として知られた。九州最後の“島の炭鉱”として2001年まで操業。閉山後は、炭鉱遺構を巡るツアーなどが催されている。

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普及版 字通 「池島」の読み・字形・画数・意味

【池島】ちとう

池中の島。

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