(読み)ヨク

デジタル大辞泉 「浴」の意味・読み・例文・類語

よく【浴】[漢字項目]

[音]ヨク(呉)(漢) [訓]あびる あびせる
学習漢字]4年
水や湯などにからだをひたす。「浴室浴場浴槽温浴混浴座浴水浴入浴沐浴もくよく海水浴日光浴
ありがたいことを身に受ける。「浴恩」
難読浴衣ゆかた

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精選版 日本国語大辞典 「浴」の意味・読み・例文・類語

よく【浴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水や湯などにひたること。
    1. [初出の実例]「眉目端正な顔が、迫り視るべからざる程の気高い美しさを具へて、新に浴(ヨク)を出た時には、琥珀色の光を放ってゐる」(出典魚玄機(1915)〈森鴎外〉)
  3. 物体をある温度に保つこと。また、その媒体。あるいはその容器を含めていう。液体を用いた水浴、油浴は実験室での間接加熱にしばしば用いられる。

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普及版 字通 「浴」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] ヨク
[字訓] ゆあみ・あびる

[説文解字]
[甲骨文]
[その他]

[字形] 形声
声符は谷(よう)(容)。谷に容(よう)・裕(ゆう)・欲(よく)の声があり、谿谷の谷(こく)とは別の字。容はに祈って、先人の霊が彷彿(ほうふつ)としてその形容をあらわす意。口は(さい)、祝詞を収める器。八を重ねた形は、その神気を示す。そのことを祈るを欲という。浴はに祈るためにみそぎする意の字である。〔説文〕十一上に「身を洒(あら)ふなり」とあり、浴・欲・容は一系の字。〔国語、斉語〕に、管仲が捕らえられて、斉につれ帰されたとき「三(さんきん)三浴」したことがしるされているが、これは虜囚のけがれを祓い、一たび死し、また儀礼としてなされるもので、招魂続魄の意味がある。髪を洗うことを沐といい、沐浴はみそぎの法であった。

[訓義]
1. ゆあみ、みそぎのためのゆあみ、きよめる。
2. あびる、みにかける、こうむる、うける。
3. やしなう、十分にやしなう。

[古辞書の訓]
和名抄〕浴室 俗に云ふ、由夜(ゆや) 〔名義抄〕浴 ユアム・カハアム・アラフ・ミアラフ・シタガフ・ヤシナフ・アムス

[語系]
浴・欲jiokは同声。・黷dokは相対する語で、(けが)れを洗うことが浴であった。

[熟語]
浴衣・浴院浴沂・浴器浴巾・浴金浴禽浴裙・浴血浴斛浴尸浴屍浴肆・浴室・浴舎浴牀・浴場・浴水・浴・浴川・浴洗・浴槽・浴池・浴殿・浴堂・浴徳・浴盤・浴仏浴盆浴余・浴蘭
[下接語]
温浴・乾浴・盥浴・休浴・浴・薫浴・三浴・賜浴・酒浴・浄浴・水浴・洗浴・喪浴・澡浴・入浴・鳧浴・沐浴・夜浴・裸浴・冷浴

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