混合栄養(読み)こんごうえいよう

精選版 日本国語大辞典 「混合栄養」の意味・読み・例文・類語

こんごう‐えいよう コンガフエイヤウ【混合栄養】

〘名〙
植物独立栄養従属栄養両方を行なう栄養形式。ヤドリギなどの半寄生植物モウセンゴケなどの食虫植物にみられる。
乳児を育てるときに、母乳栄養人工栄養ミルクなど)の両方を与えること。〔育児読本(1931)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「混合栄養」の意味・読み・例文・類語

こんごう‐えいよう〔コンガフエイヤウ〕【混合栄養】

独立栄養と従属栄養を併せて行うこと。ヤドリギなどの半寄生植物やモウセンゴケなどの食虫植物にみられる。
母乳だけで新生児乳児を育てる完全母乳に対して、母乳と人工乳粉ミルク)の両方を用いて新生児・乳児を育てること。→人工栄養

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「混合栄養」の意味・わかりやすい解説

混合栄養
こんごうえいよう

乳児の栄養法の一つで,母乳不足を補うために,一部を人工栄養にすることをいう。その方法には次の2通りがある。 (1) 母乳の不足分だけを補う方法。これは,母乳の分泌が不十分なため乳児の1回の所要量を満たせない場合に用いる方法で,最初に母乳を 10~15分間ぐらい飲ませ,その後,あらかじめ調乳しておいたミルクを補充する。 (2) 母乳と調乳したミルクとを時間をおいて交互に与える方法。この方法は,職業をもっている母親の場合とか,母乳を先に与えるとそのあとどうしてもミルクを飲まない場合などに用いる。この際,1日の母乳を与える回数を3回以下に減らすと,その分泌量が減少するので注意を要する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版 「混合栄養」の意味・わかりやすい解説

こんごうえいよう【混合栄養 mixed feeding】

母乳と,母乳以外の乳汁(現在の日本では育児用調製粉乳を用いたミルクがほとんどであるが,まれに牛乳豆乳ヤギ乳などが用いられることがある)の2種類を組み合わせて行う乳児の栄養法。母乳不足で,足りない分を補うため,あるいは母の就労外出などで直接授乳ができないときに,母乳の代りとして,哺乳瓶によって人工乳を与えることが必要になる。混合栄養の方法として,母乳不足の場合は,授乳の都度,まず母乳を10分間のませたのち,欲するだけ人工乳を与える方法,母乳分泌が悪いと考えられる時間帯を,人工乳で補う方法などがある。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の混合栄養の言及

【栄養】より

…病原性バクテリアの多くもこの型である。この2型は両極端の典型的な栄養型であるが,鞭毛虫類やバクテリア類にはこれらの中間の栄養型(混合栄養)を示すものが多い。緑色植物でもヤドリギのように他の植物に寄生したり,食虫植物のように昆虫を消化したりして有機物を摂取するものもある。…

【人工栄養】より

…また,飲み残したミルクを次にまわしてはいけない。
[混合栄養]
 母乳と調製粉乳の両方で栄養を行うことを混合栄養という。これには,(1)母乳を与えた後で,毎回あるいは不足したときにミルクを補う方法,(2)1日数回,母乳栄養のみで授乳を行い,母乳とミルクを交互に与える方法の2通りがある。…

【新生児】より

…母乳分泌がよくなると,自然に約3時間ごと,1日およそ8回の授乳になる。(3)混合または人工栄養 生後1週間たっても体重が減りつづける場合,または2週間たっても生まれたときの体重にもどらない場合は母乳不足を考え,人工栄養を追加して混合栄養を行う。市販の育児用調整粉乳(粉ミルク)を用いるのがよい。…

※「混合栄養」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

インボイス

送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...

インボイスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android