渡嘉敷島(読み)トカシキジマ

デジタル大辞泉 「渡嘉敷島」の意味・読み・例文・類語

とかしき‐じま【渡嘉敷島】

沖縄県慶良間諸島の島。同諸島最大の島で、標高200メートル前後の山々が連なり、起伏に富む。島の西側に複数の海水浴場がある。

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日本歴史地名大系 「渡嘉敷島」の解説

渡嘉敷島
とかしきじま

那覇市の西約三三キロに位置する。島尻郡渡嘉敷村に属する。方音ではトゥカシチ。面積一五・二九平方キロの高島。南北約八・八キロ、最大幅約二・七キロの細長い島。最高標高は北部の赤間あかんま山の二二七・三メートルで、標高二〇〇メートル前後の定高性のある山頂部が連なり、海岸部は急崖が海岸線に迫る。北東部と南西部に小規模の谷底低地が発達する。沖縄島北部と同じ古第三紀―中生代の砂岩と粘板岩からなり、大半が砂岩である。北東部海岸や、東部と南西部の岬には古第三紀―中生代の緑色岩類が分布する。谷底低地は沖積層からなり、海岸砂丘がみられる。島内に北西―南東方向、東北東―西南西方向など四本の斜交する断層が走る。植生はリュウキュウマツスダジイが主である。沈水性海岸で全体的にサンゴ礁の発達はよくなく、大きな川がないため周辺の海の透明度は高い。北に儀志布じしつぷ島、東方にめー島、西に座間味ざまみ島・安室あむる島などが位置する。渡嘉敷島を主とする島々を前慶良間めーぎらま、座間味島を主とする島々を後慶良間くしぎらまという。

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改訂新版 世界大百科事典 「渡嘉敷島」の意味・わかりやすい解説

渡嘉敷島 (とかしきじま)

沖縄県那覇市の西方海上にある慶良間(けらま)列島最大の島。面積15.8km2。10余の無人島とともに島尻郡渡嘉敷村をなす。人口760(2010)。北部の赤間山(227m)を最高点とする山がちの島で,東岸に中心集落の渡嘉敷がある。第2次世界大戦前は那覇へ薪炭を供給,南洋諸島でのカツオ漁も盛んであった。現在は米,サツマイモ,野菜を産し,衰微したカツオ漁に代わって沿岸漁業が営まれる。観光化も進んでいる。那覇から村営定期船の便がある。1945年3月27日アメリカ軍が上陸し,住民の凄惨な集団自決があった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「渡嘉敷島」の意味・わかりやすい解説

渡嘉敷島
とかしきじま

沖縄県,那覇市の西方約 30kmの海上に位置する,慶良間諸島中最大の島。渡嘉敷村の主島で,全人口が渡嘉敷と阿波連(あはれん)の 2地区に住む。第2次世界大戦における住民集団自決の悲劇の島(→沖縄の戦い)。アメリカ軍の地対空ミサイル基地跡に,国立沖縄青少年交流の家がある。那覇泊港との間に定期船がある。慶良間諸島国立公園に属し,周辺の海域は慶良間諸島海域公園地区に指定されている。面積 15.31km2。人口 718(2020)。

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世界大百科事典(旧版)内の渡嘉敷島の言及

【慶良間列島】より

…列島の中央を南北に走る慶良間海峡を境に行政上は二分される。東部は,渡嘉敷(とかしき)島を主島として前島,儀志布(ぎしぶ)島,黒島など大小10余の無人島を含み,前慶良間と呼ばれ,渡嘉敷村に属する。面積19km2,人口725(1995)。…

※「渡嘉敷島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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