湯浅町(読み)ゆあさちよう

日本歴史地名大系 「湯浅町」の解説

湯浅町
ゆあさちよう

面積:二〇・六九平方キロ

郡の西部にあり、西は海に面してひろ川河口より北部湯浅湾北岸の臨海地域にあたる。北は中山なかのやま丘陵稜線で有田市と境し、東も丘陵地で吉備きび町と接する。また広川山田やまだ川の分水嶺である三本松さんぼんまつ峰連峰で金屋かなや町と接する。また南は三本松峰を起点山田垣内やまだがいと盆地の南側をなす分水界に沿い、高城たかしろ山の西側斜面を広川岸に下り、広川に沿って西北湯浅湾に至る線で広川町と境する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湯浅町」の意味・わかりやすい解説

湯浅〔町〕
ゆあさ

和歌山県西部,紀伊水道の湯浅湾に臨む町。1896年町制。1956年田栖川村を編入町名は古代の湯笠郷,中世の湯浅荘に由来。中心集落の湯浅は『延喜式』の「温笠(ゆかさ)駅」で,古くから熊野街道の宿場町港町として発展。中世,湯浅氏の本拠地となり,湯浅氏が築いた山城城跡がある。近世,廻船の寄港地となり,紀州藩の保護のもとに日本初の醤油の商品生産が開始され,廻船により各地へ出荷。千葉県銚子市の醤油業は湯浅から伝わったもの。金山寺味噌でも知られる。紀伊国屋文左衛門の生誕地ともいわれ,彼の戒名のある勝楽寺には重要文化財の仏像がある。また施無畏(せむい)寺,その北方に史跡明恵(みょうえ)紀州遺跡卒都婆がある。ミカン栽培が盛ん。天然の良港に恵まれ,シラス,シラウオの漁獲がある。海岸一帯は西有田県立自然公園に属する。JR紀勢本線,国道42号線が通り,湯浅御坊道路のインターチェンジがある。面積 20.79km2。人口 1万1122(2020)。

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