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演奏記号 エンソウキゴウ

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デジタル大辞泉の解説

えんそう‐きごう〔‐キガウ〕【演奏記号】

演奏に際し、音符や休止符だけでは表現できないニュアンスを演奏者に指示するために、補助的に楽譜に記される記号や標語。速度・発想・強弱・奏法などを示す。

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世界大百科事典 第2版の解説

えんそうきごう【演奏記号 expression marks】

楽曲の速度や強弱,曲の雰囲気や性格,奏法など,演奏の細部にわたって具体的な指示を与えるための記号および標語の総称。演奏記号は,作曲と演奏との分業化が進んではじめて必要となったものであり,1500年以前の音楽には見いだされない。強弱の指示は1517年ころのリュート曲集で初めて姿を見せ,速度の指示は35年のミランLuis Milán(1500ころ‐61ころ)のビウエラ曲集に見られるのが最初である。しかし現在用いられている演奏記号が明確な形で現れるのは1600年前後であって,G.ガブリエリの《ピアノフォルテソナタ》(1597)や,アダージョアレグロプレスト,プレスティッシモといった速度記号を組織的に用いたバンキエーリAdriano Banchieri(1568‐1634)の《オルガン奏法》(1605)などが最も初期の例である。

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大辞林 第三版の解説

えんそうきごう【演奏記号】

楽譜に記された、テンポ・強弱・発想・演奏法・アーティキュレーションなどの指示の総称。速度記号・速度標語・発想記号・発想標語・強弱記号など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

演奏記号
えんそうきごう
Vortragsbezeichnungenドイツ語

西洋で16、17世紀ごろほぼ完成された五線譜による記譜法が、現在世界的に広く用いられている。この方法は、五線上とその間隔に音符や休止符を記し、拍節や音程などを示すことができるが、また重大な欠点も兼ね備えている。すなわち、作曲家が作品を作曲した場合、そういった五線譜だけではそのイメージを演奏者に正確に伝達することができず、演奏に際して作曲家の意図は正しく表現されることができなくなるのである。そこで考案されたのが演奏記号である。したがって演奏記号とは、音楽を五線譜に記譜する際、音符や休止符だけでは表現しえないニュアンスをいくらかなりとも書き示すべく、補助的に用いられる文字やことばや記号をいう。こういった演奏記号は、速度記号、発想記号強弱記号、唱法や演奏法上の記号、省略記号に大別される。[黒坂俊昭]

速度記号

音楽の速さに関する記号。物理的に正確な速度は、=  などの記号によって表されるが(たとえば、=88は1分間に4分音符を88回打つ速さを示す)、実際の演奏においては、ことばによって、より相対的に指定される。[黒坂俊昭]

発想記号

音楽の全体的曲想を示す記号。速度記号とともに楽曲の始めに用いられる場合が多く、この記号もことばによって表される。両者ともイタリア語が共通語となっているが、作曲された国のことばが使われることもある。[黒坂俊昭]

強弱記号

楽曲のある部分を強くしたり弱くしたりする記号で、比較上の強弱を表すもの、徐々の変化を示すもの、唯一の音だけを強調するものがある。[黒坂俊昭]

唱法や演奏法上の記号

弦楽器のピッチカートやピアノのペダルなど、各楽器には特有の演奏技法上の記号があり、実にさまざまである。[黒坂俊昭]

省略記号

楽曲のなかで同じものが続く際に、重複する記譜を省略するべく用いる記号。これには小節に関するもの(反復記号)と、音符に関するものとがある。
 以上、五線譜による記譜法において、これらの記号が大きな役割を果たしていることは否めない事実であるが、これらによって音楽のイメージや作曲家の意図が完全に表現されているとは、けっしていうことができない。[黒坂俊昭]

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