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中国の長江(揚子江)最長の支流で漢江,襄水とも呼ばれる。陝西省南西部の寧強県の北の嶓冢(はちよう)山に源を発し,南東に流れ,陝西省南部,湖北省北西部および中部を経て,武漢市で長江に注ぐ。全長1532km,流域面積17万4300km2。湖北省襄樊(じようはん)市より下流は襄水ともいう。褒河,丹江,唐河,白河,堵河などの支流がある。古くから中原と江漢平原を結ぶ重要な交通路であったが,水勢が激しいため,沿岸には襄陽の樊城など軍事的に要害の地がある。樊城は漢の建安年間(196-219)に関羽が漢水の急流を利用して立てこもる于禁を撃破した古戦場として有名である。また上流部は秦の漢中郡で,劉邦は秦を滅ぼした後,漢中王としてこの地に封じられた。古来,南北抗争の地で,三国時代蜀の劉備と魏の曹操がこの地を争ったことは有名。下流部は〈曲すること漢にしくはなし〉といわれるほど曲流がはなはだしい。長江と増水期が同じであるため,二つの川の激流が江漢平原のクリーク地帯でぶつかる。解放前,水利が整備されず平原はつねにはんらんによる水害を受けていた。解放後,下流に杜家台分流施設,上・中流に丹江口水利センター・漢北大型排水施設が建設され,水害問題はほぼ解決された。
執筆者:林 和生
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中国、華中地区を流れる川。長江(ちょうこう/チャンチヤン)(揚子江(ようすこう/ヤンツーチヤン))水系中最大の支流で、漢江ともいう。陝西(せんせい/シャンシー)省南西部、大巴山(だいはさん)北麓(ほくろく)の寧強(ねいきょう)県に源を発し、源流は玉帯河(ぎょくたいが)とよばれる。陝西省南部の漢中盆地を流れ、安康(あんこう/アンカン)を経て湖北(こほく/フーペイ)省北西部に入り、同省中部を貫流したのち武漢(ぶかん/ウーハン)で長江に合流する。長さ1532キロメートル、流域面積17万4000平方キロメートル。湖北省の襄樊(じょうはん/シヤンハン)より下流は襄河(じょうが)ともよばれる。おもな支流は褒河(ほうが)、丹江、唐河、白河、堵河(とが)などである。水量が多く、しかも長江と増水期が一致するため、水はけが悪く下流は昔の雲夢沢(うんぼうたく)の一部にあたる低平な平野なので、長江との間は縦横に水路の走る水郷をなすため、かつては慢性的水害地帯であった。解放後下流部に杜家台(とかだい)より漢水を分流させる漢江分洪区がつくられ、中流部に丹江口ダム、上流に安康・石泉両ダムが建設され、水害を免れるとともに、発電、灌漑(かんがい)、水運の便も改善された。船は石泉まで溯航(そこう)できる。丹江口ダムには船を昇降させるエレベーターがある。
[河野通博]
「ハン(漢)水」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…また石灰岩が広範に分布し,カルスト地形が比較的発達している。山地が多く,漢水の谷底と山間盆地を除くと耕地は少なく,林業が主となる。(3)鄂北台地区 省北部に位置し,北は河南省の南陽盆地と相接し,南は江漢平原に連なる。…
…その後も歴代王朝によってまつられている。なお済水の代りに漢水を入れる説(《書経》禹貢の疏)もある。【永田 英正】。…
※「漢水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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