(読み)コ

デジタル大辞泉の解説

こ【濃】

[接頭]名詞に付いて、そのものの色や密度などが濃いという意を表す。「酒」「染め」

のう【濃】[漢字項目]

常用漢字] [音]ノウ(慣) [訓]こい
〈ノウ〉
こってりとしている。色や味がこい。「濃艶(のうえん)濃厚濃縮濃淡濃密濃霧
美濃(みの)国。「濃州濃尾
〈こ〉「濃緑(こみどり)濃紫(こむらさき)
[名のり]あつ・あつし
[難読]信濃(しなの)裾濃(すそご)

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大辞林 第三版の解説

こ【濃】

( 接頭 )
名詞に付いて、色の濃いことを表す。こい。 「 -紫」

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精選版 日本国語大辞典の解説

こ【濃】

[1] 〘形動〙 濃いこと。
古事記(712)中・歌謡「三つ栗の その中つ土(に)を 頭(かぶ)(つ)く 真火(まひ)には当てず 眉(まよ)画き 許(コ)に画き垂れ」
[2] 〘接頭〙 体言の上に付いて、そのものの色や密度が濃いことを表わす。「濃染」「濃紫」など。
[補注]「古事記」の例の「許(こ)」は乙類のコの仮名であるが、平安初期の、諸資料(新訳華厳経音義私記・西大寺本金光明最勝王経古点・新撰字鏡)では、「濃」は甲類のコであるところから、この「古事記」の例を「濃(こ)」ととらず、代名詞「是(こ)」と解する説もある。

こ・い【濃】

〘形口〙 こ・し 〘形ク〙
① 色が深い。色の感じが強い。
※書紀(720)持統四年四月(寛文版訓)「勤(こん)の八級には深緑。務(む)の八級には浅(うすき)(〈別訓〉あさ)緑。追(つい)の八級には深(コキ)(はなた)。進(しん)の八級には浅縹」
※古今(905‐914)物名・四五〇「花の色はただひとさかりこけれども返す返すぞ露はそめける〈高向利春〉」
② 特に染色で、または紅の色の深いさまをいう。
※大和(947‐957頃)一〇三「それなむいとこきかいねりきたりける」
③ 中に溶けているものの割合が高い。濃度が高い。
※宇治拾遺(1221頃)三「沈・丁子をこく煎じて入れたり」
④ 味、においなどが強い。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八「苦(にが)く渋(しぶ)くして滋(コキ)味無けむ」
※古今(905‐914)雑上・八七六「蝉のはのよるの衣はうすけれどうつりがこくもにほひぬるかな〈紀友則〉」
⑤ 生え方、塗り方などが厚く密である。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)九「果実も並に滋(コク)(しげ)くして大地に充満せしめ」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「鼻ばかり別に白粉を濃(コ)く付たら」
⑥ 情交が密である。関係が密接である。
※源氏(1001‐14頃)真木柱「などてかくはひあひがたき紫を心に深く思ひそめけむ、こくなりはつまじきにや」
※苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉二「濃い親類を持たないことを思ひあはすと」
⑦ 疑いや可能性などの程度が大きい。よりその傾向が強い。
※天城越え(1959)〈松本清張〉二「他殺の疑いが濃い」
[語誌](1)「うすい」の密度・濃度を表わす用法と対義関係にある語。
(2)上代には語幹「こ」の複合語が見られるのみで、形容詞としての確例は見えない。中古以降は、主として色や味について用いられる。
こ‐さ
〘名〙

こ・し【濃】

〘形ク〙 ⇒こい(濃)

のう【濃】

〘接頭〙 化学薬品や色を表わす語の上に付いて、そのものより濃度が大きいことを示す。「濃硫酸」「濃緑色」など。

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