熱帯雨林気候(読み)ねったいうりんきこう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

熱帯雨林気候
ねったいうりんきこう

赤道を中心に南北ほぼ緯度5~10度の間に分布する気候帯。年平均気温は20℃以上で、年較差は6℃以下と小さく、日較差は5~15℃と大きい。1年を通じて多雨で、年降水量は2000ミリメートルを超える。赤道付近は低圧(無風)帯となっており一般に風が弱いが、海岸地方では海陸風が発生する。強い日差しと高湿のため種々の常緑広葉樹が繁殖している。セルバselvas(アマゾン川流域低地の熱帯広葉樹林)や東南アジアに顕著にみられる。20世紀後半ごろから、アマゾン川流域の熱帯雨林の乱伐などが地球のCO2収支のバランスをゆがめ、地球温暖化を促進することが危惧(きぐ)されている。土壌はあまり肥沃(ひよく)でないラテライト(紅土)が分布し、保水力も弱い。大半が開発途上国であり、いまだにタロイモやキャッサバなどの原始的焼畑農業、あるいは狩猟や漁業を営んでいる。白人によるゴム、ココヤシ、カカオなどのプランテーション(企業的栽植農園)も点在している。

[福岡義隆]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ねったいうりん‐きこう【熱帯雨林気候】

〘名〙 熱帯気候の一つ。一年中高温多雨で熱帯降雨林が繁茂し、午後には規則的に驟雨(しゅうう)が降る。コンゴ川・アマゾン川流域や東インド諸島などに分布する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

熱帯雨林気候
ねったいうりんきこう
tropical rainforest climate

赤道地方にみられる,一年中高温多雨で明瞭な乾季がない気候。ウラジーミル・P.ケッペンによれば,熱帯気候のうち最寒月の月平均気温が 18℃以上,最寡雨月の平均降水量が 60mm以上の気候。気温の年較差は小さく,一般に 6℃以下である。これに対し気温の日変化は大きく,15℃に及ぶこともある。降雨は対流性の降水が多く,年降水量は 2500mm以上のところが多い。赤道無風帯の影響を強く受け一年を通して定まった風系はなく,海陸風山谷風が顕著に発達する。樹高 40mにも達する密林となっている地域が多い。アジアではマレー半島からインドネシア全域,中部太平洋の島々アフリカではコンゴ川流域,および南アメリカのアマゾン川流域などにみられる。

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デジタル大辞泉の解説

ねったいうりん‐きこう【熱帯雨林気候】

ケッペンの気候区分による熱帯気候の一。符合Af。一年じゅう雨が多く高温多湿で、ほぼ毎日午後スコールが降る。常緑広葉樹ジャングルに覆われるが、雨のため表土が蓄積されにくく農業には不向き。インドネシアコンゴ北部・アマゾン川中上流域などにみられる。

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百科事典マイペディアの解説

熱帯雨林気候【ねったいうりんきこう】

熱帯気候の一種で,一年中雨の多い高温多湿の気候。熱帯雨林が形成される。南米のアマゾン川流域,アフリカのコンゴ盆地,アジアのスマトラ,ジャワ,ボルネオなどの気候。ケッペンの気候区分ではAfの記号で表される。
→関連項目アフリカアマゾニア

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世界大百科事典 第2版の解説

ねったいうりんきこう【熱帯雨林気候 tropical rain forest climate】

熱帯気候の一つで,W.P.ケッペンの気候区分ではAfと表される。年平均気温が20℃以上もあり,熱帯で最も高温であり,気温の日較差(5~15℃)に比べると年較差が小さく6℃以下である。連日のように午後になるとスコール(強いしゅう雨性降雨)が降るので,年中多雨で年降水量は2000mmを超える。一般に赤道無風帯ともいわれるように風は弱いが,海岸地帯では海陸風循環がみられる。湿度が高く日射も豊富なので,種々さまざまの常緑広葉樹が繁茂し,アマゾン川流域のような大密林(セルバ)を形成する。

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