日本歴史地名大系 「獅子窟寺」の解説
獅子窟寺
ししくつじ
永正四年(一五〇七)真海書写の獅子窟縁起によれば、役行者開創の薬師浄土の霊場で、山中の負掛石と竜池は彼の遺跡という。ついで行基が五畿内に四九院建立のため材木を「葛木
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
永正四年(一五〇七)真海書写の獅子窟縁起によれば、役行者開創の薬師浄土の霊場で、山中の負掛石と竜池は彼の遺跡という。ついで行基が五畿内に四九院建立のため材木を「葛木
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
大阪府交野(かたの)市私市(きさいち)にある高野山(こうやさん)真言宗の寺。普見山(ふけんざん)と号する。本尊の薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)(国宝)はカヤの木の一木造(いちぼくづくり)で、行基(ぎょうき)が3年3か月を費やして刻んだ像(92センチメートル)で、授乳の霊験が著しいと伝えられている。寺伝によれば、聖武(しょうむ)天皇の勅願によって行基が堂塔を建てたという。山上の寺内には獅子吼(ししく)像を思わせる岩窟があり、当山を開いた人たちがこの窟内で修行して以来、獅子窟寺と称するようになった。盛時には塔頭(たっちゅう)が12院あったが、大坂の陣(1614、15)で焼失した。現在は本堂、庫裡(くり)、経蔵(きょうぞう)があり、仁王門と鐘楼堂は基礎のみを残す。
[野村全宏]
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