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瀬戸内海に注ぐ高梁(たかはし)川の河口にある港町で,岡山県倉敷市に属す。この一帯は近世初頭までは海が湾入し,南に乙(おと)島,柏島が浮かんでいたが,高梁川の沖積作用と干拓によって陸繫化した。1642年(寛永19)松山(現,高梁市)に封ぜられて乙島・柏島を領した水谷(みずのや)勝隆が地先海面の干拓をすすめ,46年(正保3)から75年(延宝3)にかけて,勇崎,玉島,勇崎外,勇崎押山などの諸新田が完成,港もしだいに整備され,玉島港は高梁川流域の米,綿などを移出し,また西国航路の要港として,北海産の干鰯(ほしか),鰊粕(にしんかす)などを移入して繁栄した。しかし江戸末期には水深が浅くなって港の機能が衰え,1891年山陽鉄道が中心街を離れて開通し,港町の役割をいっそう低下させた。1952年玉島市として市制を施行したが,67年倉敷市に合体。1960年には重要港湾水島港玉島港区となり,75年山陽新幹線の新倉敷駅が設置された。
執筆者:谷口 澄夫
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岡山県南西部、倉敷市の一地区。旧玉島市(1952市制)。高梁(たかはし)川右岸河口部にあり、高梁川の沖積作用と江戸時代からの干拓により水田地域が形成され、かつての島々は陸繋(りくけい)された。玉島港は近世には高梁川水運と瀬戸内海航路の結節点として発達したが、明治の鉄道開設で港湾機能は衰えた。明治時代には県の紡績工業の一中心となり、第二次世界大戦中には工業用地として海岸が埋め立てられ、現在は水島臨海工業地域の一部となっている。埋立地南端の玉島ハーバーアイランドは国際物流拠点として整備が進められている。円通寺は良寛が十数年修行したところで、寺域一帯は県指定名勝の円通寺公園になっている。JR東海道・山陽新幹線新倉敷駅、山陽自動車道玉島インターチェンジが市街地北方にある。
[由比浜省吾]
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