コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

珍敷塚古墳 めずらしづかこふん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

珍敷塚古墳
めずらしづかこふん

福岡県うきは市富永にある装飾古墳。墳形は破壊され不明である。石室も破壊されているが横穴式石室の奥壁に赤,藍などの彩色画がある。図文には太陽,鳥や人物を乗せた小舟,月のような円文とヒキガエルなどが描かれている。そのほか中央に3個の靫と双頭の蕨手文がある。ヒキガエルは古来中国では月の中にいるといわれているもので,この画材は中国系のものと思われ,高句麗古墳群の壁画にもみられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

大辞林 第三版の解説

めずらしづかこふん【珍敷塚古墳】

福岡県うきは市吉井町身納山麓にある六世紀後半の装飾古墳。横穴式石室に、鳥のとまる舟、盾を持つ人、靫ゆぎ、月の象徴ひきがえる、太陽をあらわす同心円文の彩画がある。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

国指定史跡ガイドの解説

めずらしづかこふん【珍敷塚古墳】


屋形古墳群(やかたこふんぐん)

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

珍敷塚古墳
めずらしづかこふん

福岡県うきは市吉井町富永(よしいまちとみなが)にある装飾古墳。石室は奥壁と右壁基部の一部を除き破壊されているが、もと長さ4メートル、幅2メートルほどの横穴式石室であったとみられる。奥壁は高さ約1メートル、幅約2メートルの花崗(かこう)岩の一枚石で、表の全面に雄大な彩色画が描かれている。中央に大きく三基の靭(ゆき)と蕨手文(わらびてもん)を配して構図の主構成とし、その左右には繊細な図像が描かれている。左側は中心を赤く彩った太陽を表す同心円文であり、その下に舳先(へさき)に鳥が止まり、櫂(かい)を漕(こ)ぐ人物の乗った船、右側には蟾蜍(ひきがえる)などが描かれている。画(え)の全体は赤色の太い輪郭線を主調として整え、背後の下地は青色で埋められているが、器物、人物など要所は色を塗り残し、黄色い花崗岩の素地を巧みに生かして全体を際だたせている。蟾蜍は中国では月の象徴であり、同心円文の日輪とあわせて、大陸の葬送思想を表した装飾古墳として興味深い。1953年(昭和28)国の史跡に指定された(86年屋形古墳群に名称変更)。[三輪嘉六]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の珍敷塚古墳の言及

【装飾古墳】より

… 九州地方の装飾古墳のうち,横穴式石室に彩画を描いたもののなかには,明らかに大陸文化の影響をうけたと考えてよいものがある。福岡県珍敷塚(めずらしづか)古墳の壁画に,中国で月の表現として用いる蟾蜍(せんじよ)(ひきがえる)の図があることや,福岡県竹原(たけはら)古墳の壁画に,日本人の作品とは信じがたいほどの,力強い人馬の描法を見いだすことは,だれもが指摘するその実例である。そうして,日本に影響をあたえたものは,墓室の壁画に風俗画を用いる高句麗の風習であろうというのも,多くの学者の一致した見解である。…

※「珍敷塚古墳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

珍敷塚古墳の関連キーワード吉井(福岡県)蟾蜍