疫痢(読み)えきり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

疫痢
えきり

日本で多発した小児伝染性下痢症で,赤痢菌感染が主因。2~5歳の幼児に突然発症することが多く,赤痢固有の症状である嘔吐高熱,下腹痛などのほかに昏睡けいれん,自家中毒症状などを呈する。最近は赤痢が激減したため,痢もみられなくなった。

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デジタル大辞泉の解説

えき‐り【疫痢】

赤痢のうち、小児にみられる重症型のもの。顔面蒼白・血圧低下・ひきつけ・意識混濁などの症状を呈する。経過が急で死亡率が高いことから「はやて」ともよばれた。近年、発病はまれ。小児赤痢。 夏》

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百科事典マイペディアの解説

疫痢【えきり】

幼児の赤痢で,下痢,嘔吐(おうと)とともに顔面蒼白(そうはく),手足が冷たいなどの循環障害や,意識が混濁したり,ひきつけたりするなどの神経系の障害のような中毒症状の強く現れたものをいう。特に3〜4歳に多い。昔は肺炎と並んで幼児死亡の二大原因であったが,現在はほとんどなくなり,しかも抗生物質,輸液などで救命できるようになった。
→関連項目法定伝染病

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世界大百科事典 第2版の解説

えきり【疫痢 ekiri】

赤痢菌感染にもとづく小児の特殊な症候群。1914年伊東祐彦により独立疾患とされ,22年法定伝染病として取り扱われるようになった。小児がどうして疫痢症状を示すのかという本態については,ヒスタミン中毒説,体質説,副腎皮質機能不全説,低カルシウム血症などの諸説が出された。しかし,これについては,未解決のまま推移しているうちに疫痢そのものが64年以降ほとんどみられなくなった。 疫痢は2~5歳,とくに3歳前後の幼児を襲う。

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大辞林 第三版の解説

えきり【疫痢】

三歳から六歳ぐらいの小児にみられる、細菌性赤痢の一病型。発熱・嘔吐・ひきつけ・意識混濁などを呈し、死亡率が高かったが、近年、重症例は少ない。疫痢様症状。小児期ショック様症候群。

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