目論見書(読み)モクロミショ

デジタル大辞泉 「目論見書」の意味・読み・例文・類語

もくろみ‐しょ【目論見書】

株式社債など有価証券の募集・売り出しに際し、投資家の投資判断基準となる情報を提供するために発行会社の事業や当該有価証券の内容について説明した文書。発行者に関する情報(発行者名・事業内容・資本構成財務諸表など)や、当該有価証券に関する情報(発行総額・発行価格・利率・払込日・満期日など)、および引受に関する情報(引受人名・引受額・手数料など)が記載されている。交付目論見書。→請求目論見書運用報告書
[補説]国債政府保証債地方債金融債などに関しては目論見書を作成する必要がない。

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精選版 日本国語大辞典 「目論見書」の意味・読み・例文・類語

もくろみ‐しょ【目論見書】

  1. 〘 名詞 〙 計画次第を書いたもの。特に、株式・社債などの有価証券を募集または売り出す場合、その発行者の事業に関する説明書。
    1. [初出の実例]「倫敦に於ける我が新公債は、去る二十八日午前シンジケートの手より、一般公衆に目論見書を公示し」(出典:東京朝日新聞‐明治三八年(1905)二月三一日)

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改訂新版 世界大百科事典 「目論見書」の意味・わかりやすい解説

目論見書 (もくろみしょ)

発行価額または売出価額の総額が5億円以上の有価証券の募集または売出しに関しては有価証券届出書による届出がなされなければならず,同届出書は公衆縦覧に供されるが,目論見書は投資者に対し当該有価証券の発行者の事業内容等を直接開示する文書である(証券取引法2条10項)。有価証券の募集または売出しに関して,発行者は目論見書作成義務を負い(13条1項),また当該有価証券を取得させまたは売り付けるには目論見書が交付されなければならない(15条2項)。投資者は,目論見書によって当該有価証券の投資価値を合理的に判断できることになる。目論見書の交付義務は,当該有価証券を取得させまたは売り付けるときに発生するが,有価証券届出書の提出後その届出の効力発生までの間に行われる投資勧誘には目論見書の交付義務がない。しかし,投資勧誘でも目論見書の記載内容と異なる表示が禁止されるので(13条5項),実際上は仮目論見書が使用される。仮目論見書は,正規の目論見書と実質的に同内容を記載するものと,要約目論見書として記載事項を省略ないし要約したものがある。要約目論見書を使用した場合は,当該有価証券を取得させるときまでに補充的な訂正目論見書を交付しなければならない。なお,株主割当てによる増資も証券取引法上の募集となり,増資額が5億円以上の場合は有価証券届出書の提出および目論見書の交付が必要とされている。

 目論見書の記載事項は,大蔵省令で定められるが,有価証券届出書に第1部として記載されるものが中心となる。ただし,参照方式(5条3項)や発行登録(23条の3)の場合の目論見書においては企業内容の開示(ディスクロージャー)は大幅に簡略化されている(13条2項)。目論見書の不交付,目論見書に記載すべき内容と異なる記載または表示に対しては罰則規定があり,厳しい民事責任が課せられる。商法上も,目論見書の虚偽記載等には,民事責任(商法266条の3-2項)が課され,罰則規定(490条)がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「目論見書」の意味・わかりやすい解説

目論見書
もくろみしょ
prospectus

株式会社株式などの有価証券の募集,売り出しなどに際し,応募者に対して発行会社の事業その他の事項についての説明を記載する文書。相手方に交付または相手方から請求があった場合に交付する(金融商品取引法2条10項)。有価証券届出書の提出が義務づけられる募集・売り出しに際し,有価証券の発行者は目論見書を作成しなければならない(13条1項)。投資する者が適正な情報によって投資判断ができるように,虚偽の記載や記載すべき内容が欠けている目論見書の使用が禁じられている。また,目論見書以外の資料(文書や図画など)も使用できるが,その場合にも虚偽の表示または誤解を生じる表示をしてはならない。虚偽記載などのある目論見書を作成した発行者あるいは発行者の役員などは,その目論見書の交付を受けて証券を取得した者に対して損害賠償責任を負うほか,罰則が科される。

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投資信託の用語集 「目論見書」の解説

目論見書


投資信託の募集・販売の際に用いられる投資信託の募集要項や費用、運用の内容などを記載した書面のこと。投資信託説明書ともいう。
金融商品取引法によって、投資家に対して取引の際には必ず交付しなければならないことが定められている。
2004年(平成16年)12月からは、投資家に必ず交付しなければならない「交付目論見書」と、投資家の請求に基づき交付する「請求目論見書」に分冊化されている。

出典 (社)投資信託協会投資信託の用語集について 情報

株式公開用語辞典 「目論見書」の解説

目論見書

目論見書とは、有価証券の募集あるいは売出しにあたって、その取得の申込を勧誘する際等に投資家に交付する文書で、当該有価証券の発行者や発行する有価証券などの内容を説明したものをいう。

出典 株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント株式公開用語辞典について 情報

会計用語キーワード辞典 「目論見書」の解説

目論見書

有価証券を発行する際に、投資家に有価証券の内容や発行会社の概要などを説明するために作成する文書

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