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直腸炎 チョクチョウエン

デジタル大辞泉の解説

ちょくちょう‐えん〔チヨクチヤウ‐〕【直腸炎】

直腸粘膜炎症

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

家庭医学館の解説

ちょくちょうえん【直腸炎 Proctitis】

潰瘍性大腸炎より症状は軽い
[どんな病気か]
 潰瘍性大腸炎の多くは直腸から発症し、連続的に口側に向かって広がっていきますが、直腸に限局する(限られる)場合があります。これを潰瘍性大腸炎の直腸炎型と呼びます。直腸粘膜(ねんまく)は炎症により、ただれた状態となります。
 本質的には潰瘍性大腸炎と同じ病気で、その1つの病型とみなされます。
 そのほかに、放射線直腸炎、薬剤性直腸炎などがあります(コラム「その他の直腸炎」)。
[症状]
 症状の大部分は粘血便(ねんけつべん)(どろどろした粘液に血液がまじった便)か血便(けつべん)で、ときにしぶり腹(ばら)(激しく便意をもよおし、腹痛があるのに便通がよくない)もみられます。
 潰瘍性大腸炎と同種といっても、1日に数十回前後の下痢(げり)や腹痛という広範囲な潰瘍性大腸炎にみられる症状は少なく、下痢が続いても1日2~3回から4~5回程度で、症状は軽度です。また、貧血(ひんけつ)や栄養障害で全身状態が悪化して、生命にかかわるというようなこともありません。
[検査と診断]
 X線を使った注腸造影検査(ちゅうちょうぞうえいけんさ)(肛門(こうもん)から大腸にバリウムと空気を注入してX線撮影する検査)、直腸鏡(ちょくちょうきょう)あるいは大腸内視鏡検査(だいちょうないしきょうけんさ)、直腸の表面の一部をとって調べる生検(せいけん)、組織学的検査などをふまえて診断されます。直腸炎型の場合、注腸造影検査ではほとんど異常病変が映らないことが多いため、内視鏡検査が重要です。
 病変部は接触すると容易に出血します。また、直腸の表面には浮腫(ふしゅ)(むくみ)があり、発赤(ほっせき)しています。
 粘血便や血便が出たり、下痢が続くような場合には、直腸・肛門の病気の専門医の診察を受けましょう。
◎治療の主体は薬物療法
[治療]
 直腸炎型は軽症例が多いので、治療は薬物療法を主体として、手術が行なわれることはありません。
 この病気は、よくなったり悪くなったりをくり返し、治りにくいため、医師と協力して根気強く治療を続ける必要があります。
 また、過労や精神的ストレスが症状を悪化させることになるので、日常生活のなかから、その原因となるものを排除したり、また、負担の大きい仕事などはうまく軽減できるように工夫しましょう。
●薬物療法
 腸管粘膜の潰瘍(かいよう)を修復する作用のあるサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)、あるいは粘膜の炎症をしずめるメサラジン(ペンタサ)という薬の内服がたいへん有効です。
 これらを服用しても軽快しない場合は、自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)によく使われる副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬(ステロイド)が使われます。これは、注射や内服のほか、坐薬(ざやく)やステロイド浣腸(かんちょう)として使われて良い成績を上げています。
 直腸炎型の約10%は口側結腸(こうそくけっちょう)へ広がり、悪化していくといわれます。治療中は注意深い観察が必要になります。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

大辞林 第三版の解説

ちょくちょうえん【直腸炎】

直腸粘膜の炎症。多くは急性。局所の疼痛・しぶりを伴い、粘液・膿・血便などを排泄する。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

世界大百科事典内の直腸炎の言及

【直腸】より

…直腸は腸内容の貯留と便の排出をつかさどり,消化吸収は行わない。直腸には癌の発生(直腸癌)以外に直腸炎や直腸脱という疾患がある。
[直腸炎proctitis]
 原因はわからないが,直腸の粘膜および粘膜の下層までを侵す非特異性の炎症である。…

※「直腸炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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