石谷貞清(読み)いしがいさだきよ

改訂新版 世界大百科事典 「石谷貞清」の意味・わかりやすい解説

石谷貞清 (いしがいさだきよ)
生没年:1594-1672(文禄3-寛文12)

江戸前期の幕臣町奉行徳川秀忠・家光・家綱3代に仕える。1633年(寛永10)目付となり,上総相模甲斐のうちに1500石を知行島原の乱には上使板倉重昌に添えられる。51年(慶安4)町奉行となり,慶安事件においては丸橋忠弥らの捕縛にあたった。59年(万治2)辞職牢人問題に意を用い,1000人にのぼる牢人の仕官を世話したといわれる。
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朝日日本歴史人物事典 「石谷貞清」の解説

石谷貞清

没年:寛文12(1672)
生年文禄3(1594)
江戸前期の旗本,江戸の町奉行。通称は十蔵,官職名は左近将監,父は今川氏の旧臣石谷清定,母は同じく今川氏旧臣の久嶋与平某の娘。徳川秀忠に出仕,大番に属す。大坂の陣に従軍。寛永10(1633)年目付となり,1000石の加増を得て1500石を知行。14年島原の乱のとき上使板倉重昌の副使として現地へ赴き,翌年1月の原城総攻撃の際に重傷を負う。重昌は戦死し総攻撃は失敗,その責任をとって一時逼塞。慶安4(1651)年江戸の町奉行に就任,慶安の変では丸橋忠弥を捕らえた。以後牢人対策に心をくだき,数多くの牢人の任官の世話に当たったという。

(しらが康義)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石谷貞清」の意味・わかりやすい解説

石谷貞清
いしがやさだきよ

[生]文禄3(1594)
[没]寛文12(1672).9.12. 江戸
江戸時代初期,徳川秀忠,家光,家綱に仕えた幕臣。元和1 (1615) 年大坂夏の陣に従軍し,寛永 10 (33) 年目付となり,甲斐で 1500石を知行。同 14年島原の乱に副上使として従軍した。のち慶安4 (51) ~万治2 (59) 年江戸北町奉行をつとめ,この間慶安事件明暦の大火などに際して活躍した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「石谷貞清」の解説

石谷貞清 いしがい-さだきよ

1594-1672 江戸時代前期の武士。
文禄(ぶんろく)3年生まれ。幕臣。島原の乱の鎮圧に板倉重昌(しげまさ)の副将として出陣,原城総攻撃に敗れて負傷し,乱後逼塞(ひっそく)に処せられる。慶安4年江戸の町奉行(北)となり,由比正雪(ゆい-しょうせつ)の乱で丸橋忠弥(ちゅうや)らを逮捕。浪人の救済につとめた。寛文12年9月12日死去。79歳。通称は十蔵,左近将監(さこんのしょうげん)。姓は「いしがや」ともよむ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「石谷貞清」の意味・わかりやすい解説

石谷貞清
いしがやさだきよ
(1594―1672)

江戸前期の幕臣、町奉行(ぶぎょう)。祖父政清は遠江(とおとうみ)(静岡県)に在住、今川氏滅亡期に徳川家康に仕える。通称十蔵。貞清は初め大番、その後目付に進み、1500石。島原の乱に際して、幕軍の主将板倉重昌(しげまさ)とともに副将として出陣、1638年(寛永15)正月、一揆(いっき)軍のこもる原城総攻撃で重昌は戦死、貞清は負傷する。乱後、指揮の責任をとらされ逼塞(ひっそく)。のち江戸の町奉行(北)となる。

[煎本増夫]

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367日誕生日大事典 「石谷貞清」の解説

石谷貞清 (いしがやさだきよ)

生年月日:1594年11月3日
江戸時代前期の旗本;江戸の町奉行
1672年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の石谷貞清の言及

【浪人(牢人)】より

…幕府はこうした事態を憂慮して,幕政の方針を武断から文治へと転換し,浪人の寄住制限を緩和する一方,浪人発生の要因となる大名,旗本の改易にも手心を加えた(世嗣のない者のうち,50歳以内の者には末期養子(まつごようし)を認める)。また,幕閣首脳者による浪人の再仕官の斡旋も行われるようになり,町奉行石谷貞清(いしがいさだきよ)は終生に1000人もの浪人を諸家に世話したという。しかしこの後も,浪人はさまざまな理由によって絶えず発生し,明治に至った。…

※「石谷貞清」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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