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社会ダーウィン主義 しゃかいダーウィンしゅぎsocial Darwinism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

社会ダーウィン主義
しゃかいダーウィンしゅぎ
social Darwinism

ダーウィンの自然淘汰説を適用して社会現象を説明しようとする立場をさす。 19世紀末から 20世紀初頭の社会学発展の初期に起った主張で,その特徴は,ダーウィンの生存競争説によって,社会進化の原理を生存競争ないし自然選択に求めるところにある。当時のイギリスでは進化論的風潮が盛んであり,H.スペンサー社会進化論的社会学はその最初の体系であった。これは進化論が明確に科学的に確立されたダーウィンの主著『種の起原』 (1859) の発表によって,その社会学的応用を企図して出現した主張であった。おもな学者として W.バジョット,L.グンプロビチ,G.ラッツェンホーファーがあげられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

社会ダーウィン主義
しゃかいだーうぃんしゅぎ
social Darwinism

ダーウィンの生物進化論の所説に立脚して、社会過程を説明し、社会進化の観点から社会変動を解釈しようとした、19世紀後半以降今日に至る社会思潮の流れを、一括して社会ダーウィン主義とよぶ。
 その内容は、具体的には、次の三つの類型に分けられる。第一に、ダーウィンの生存競争と自然淘汰(とうた)という考え方を社会現象、とりわけ自由放任の経済現象に適用し、資本と資本の競争とその下での利潤の追求をこの文脈から解釈しようとした、H・スペンサーやW・G・サムナーの社会理論があげられる。ただし、スペンサーの社会進化の考え方は、ダーウィンの生物進化論の主張に先行するものであり、社会ダーウィン主義からはみだす部分を含んでいる。第二に、生存競争と自然淘汰を、人種と人種の間の闘争や征服の事例に適用しようとしたグンプロビッチ、ラッツェンホーファー、アモンOtto Ammon(1842―1916)、ラプージュGeorges Vacher de Lapouge(1854―1936)、チェンバレンなどの社会理論があり、先進資本主義諸国による植民地獲得競争や帝国主義的進出を合理化し、部分的にはファシズムの人種理論にも影響を及ぼしている。第三に、クロポトキン、ノビコフ、ウォードなどの社会理論にみられるように、社会的連帯を中心とする社会進化のとらえ方があるが、この考え方は今日ではあまり採用されていない。[田中義久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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