福生寺(読み)ふくしようじ

日本歴史地名大系 「福生寺」の解説

福生寺
ふくしようじ

[現在地名]備前市大内

大内おおうち集落北東くま山南東面の大滝おおたき山中にある。近世には一三院を有したが、現在大滝福寿ふくじゆ院・同西法さいほう院・同実相じつそう(以上高野山真言宗)が法人として残り、本堂仁王門・三重塔などがある。本尊は十一面千手観音。

天平勝宝年中(七四九―七五七)鑑真が熊山山頂に戒壇を築き、大滝山を開いたとも、報恩建立の備前四八ヵ寺の一とも伝える。平安時代火災にあい衰微したが、観応年中(一三五〇―五二)足利尊氏が福岡ふくおか(現邑久郡長船町)に駐軍した際、播磨から良円・良長を招いて再興、一時は三三坊を数えた。


福生寺
ふくしようじ

[現在地名]会津高田町富川

富岡とみおか集落にあり、日用山と号し、天台宗。本尊阿弥陀如来。もと妙福みようふく寺といい、富岡観音の別当をしていたが廃絶し、慶長一〇年(一六〇五)舜亮が再興して福生寺と改称したという(新編会津風土記)。応永三三年(一四二六)鰐口観音堂に架けられていたが、破損したため寛政九年(一七九七)改鋳された。その銘に「奥州会津大沼郡富岡村妙福寺 観世音御宝前鰐口」とあったという(同書)


福生寺
ふくしようじ

[現在地名]山川町 川田

徳島藩が領内の交通・軍事上の要衝に置いた真言寺院八ヵ寺(駅路寺・辺路寺という)の一で、当寺は伊予街道の押えとされた。駅路山寂蓮院と号し、真言宗大覚寺派。本尊は聖観音。「阿波志」などによれば、貞和年間(一三四五―五〇)に阿波守護細川氏が菩提所として飯尾いのお(現鴨島町)に建立、岡の上にあったことから岡寺ともよばれた。天正年間(一五七三―九二)土佐の長宗我部氏のために一部寺領を失ったが、慶長三年(一五九八)駅路寺に指定され、寺領一〇石を得て現在地に移ったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「福生寺」の解説

福生寺

福島県大沼郡会津美里町にある天台宗の寺院。観音堂は国の重要文化財に指定されている。

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