(読み)リョウ

デジタル大辞泉 「稜」の意味・読み・例文・類語

りょう【稜】[漢字項目]

人名用漢字] [音]リョウ(慣) [訓]かど
物のかど。「稜角稜線岩稜山稜側稜
かどだっている。「稜威稜稜
[名のり]いず・すみ・たか・たる・いつ
[難読]御稜威みいつ

そば【×稜】

物のかど。りょう。
「石の―の、折敷の広さにてさし出でたるかたそばに」〈宇治拾遺・六〉
はかまももだち
「ねりばかまの―高くはさみ、神璽をわきにはさみ」〈平家一一
ブナ古名
奥山の秋の深さを来て見れば―もまさきも紅葉しにけり」〈経信集〉

りょう【×稜】

かど。すみ。
「氷は、あっちこっちの滑かな―を見せて」〈里見弴・大道無門〉
多面体の、隣り合う二つの面が交わってできる線分
医学で、比較的長く伸びている隆起した部分。「腸骨

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「稜」の意味・読み・例文・類語

そば【稜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物のかど。りょう。稜角。
    1. [初出の実例]「石のそばの〈略〉さし出でたるかたそばに尻をかけて」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)六)
  3. 袴のももだち。衣の折り目。
    1. [初出の実例]「ねりばかまのそばたかくはさみ」(出典:平家物語(13C前)一一)
  4. 植物ぶな(橅)」の古名。
    1. [初出の実例]「大夫、そばの紅葉のうちまじりたる枝につけて」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)

りょう【稜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. かど。すみ。〔鉱物字彙(1890)〕
  3. 数学で、多面体、または多面角において、となりあう二つの面が交わった所に生じる線分または半直線のこと。辺。

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普及版 字通 「稜」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 13画

(異体字)
12画

[字音] リョウ
[字訓] かど・すみ

[説文解字]

[字形] 形声
正字はに作り、(りよう)声。〔説文〕六上に「(こ)なり」とあり、字条に「なり。は殿堂上、最高の處なり」という。のち稜の字形を用い、稜角あるもの、角材などをいう。稜角には威霊を感じさせるものがあり、稜威をいう。糾察を司る御史の官は、稜官としておそれられた。

[訓義]
1. かど、すみ、かどあるもの。
2. みいつ。

[古辞書の訓]
名義抄〕稜 ソバ・カド・イナツカ・フルフ/稜 ―トソバソバナリ 〔字鏡〕稜 カザル・イナツカ 〔字鏡集〕稜 セハシ・ソハソハ

[語系]
稜()lng、lingは声義近く、の実には角がある。(廉)liamは廉直にして、稜角のある性格をいう。

[熟語]
稜威稜鋭・稜角稜郭稜岸稜畳稜節稜層・稜稜側・稜稜
[下接語]
衣稜・威稜・旱稜・岩稜・丘稜・稜・剛稜・三稜・清稜・稜・眉稜・鋒稜・廉稜

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【辺】より

…(3)多面体を囲む各多角形の辺を多面体の辺という。これはまた多面体の稜とも呼ばれる。例えば四面体は6個の辺をもち,立方体は12個の辺をもつ。…

※「稜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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